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特集 介護とICT

2020.11.10 ICT活用・DX

介護分野におけるICT導入の現状と課題

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2021年度の介護報酬・基準改定ではどうなる?

 現在、介護保険制度においては、2021年度の介護報酬・基準改定に向けた社会保障審議会・介護給付費分科会での議論が進んでいます。10月下旬時点では、具体的な改定内容は定まっていませんが、冒頭で述べた課題のうちの介護人材の獲得が困難な状況を受けて、ICT等の活用を要件とした人員基準の緩和などの論点も浮上しています(「人員基準の緩和ありき」の議論については反対意見も多いという点は要注意)。

 いずれにしても、医療機関等との連携も重要になる中では、診療報酬側のICT活用の仕組みなどが介護報酬側にも影響を与えることは間違いないでしょう。

 加えて注意しなければならないのが、国よりVISITやCHASEなどの介護保険関連のデータベース(DB)の構築や拡充が急速に進んでいることです。2020年の介護保険法の改正では、これらのDBへの介護現場からのデータ(利用者の状態や、その利用者にどのようなケアを提供したかをデータ化したもの)提供を促す法的根拠も定められました。

 これにより、介護報酬上でもDBへのデータ提供を要件とした加算等が拡大する可能性もあります。当然ながら、データ提供に際しては現場データのデジタル化が必要であり、それはそのままICTシステムの構築につながるわけです。

 この「国へのデータ提供」も今後のICT推進に大きくかかわる要素といえるでしょう。

PowerPoint プレゼンテーション

出典: 厚生労働省・社会保障審議会(介護給付費分科会)(2020年9月14日)資料より

図6 介護関連データベースの構成

ICT導入をめぐるコスト問題への国の対処

 ここで問題となるのは、ICTをめぐっては、そのシステムの構築に際して多くのコストやノウハウを必要とすることです。つまり、インフラ面での支援が不可欠となります。

 コスト面においては、国も補助金事業などを進めています。特に、今年に入っての新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、補正予算による拡充も図られました。

 その一つが、介護事業所におけるICT導入の加速化支援です。2020年度の当初予算でも拡充は図られてきましたが、補助上限額がさらに上乗せされました。また、補助対象についても、それまでの介護ソフトやタブレット、スマートフォン購入にかかる費用のみならず、Wi-Fiの設置費用や業務効率化に資するシフト作成ソフトなども対象にしています。

 さらに、介護施設等の大規模修繕の経費にかかる補助事業においても、修繕に併せて行う介護ロボットやセンサー、ICTの導入が補助対象に含まれました。ICTにおいては、保守・サポートや導入研修、セキュリティ対策にかかる経費も対象に含まれています。

(会議後修正)02_介護人材の確保・介護現場の

出典: 厚生労働省・社会保障審議会(介護給付費分科会)(2020年6月25日)資料より

図7 介護事業所におけるICT導入の加速化支援

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