2020.11.10 議員活動
第2回 政策の特徴と限界
8 政策(過程)における「循環の必要不可欠性」
政策を一つのシステムと見立てるとき、図3に示したように「政策の循環」では、外部環境(国、他の自治体、当該自治体外の市民や団体(法人))や内部環境(当該自治体内の市民や団体(法人))が相互に影響を与える。そして、これらの環境と自治体政府内における政策過程も相互に影響を与え合う。さらに、自治体政府内における政策過程では、評価からのフィードバックを受け、選択肢作成、決定、実施が修正される循環構造が見られる。
政策には正解がなく、政策は可謬性を持つ。環境が可変であることや政策過程を担う組織そして組織の構成員である人にも限界があるからである。そのことは当然のこととして、政策及び政策過程における循環を必要不可欠のものとする(=政策(過程)における「循環の必要不可欠性」)。そして、その循環は速やかに行うことが求められる。謬のある政策を継続していれば、目標との乖離が大きくなるからである。このように、「政策の予測と調整」のため必要となる「政策の循環」においては、恒常化と迅速性が求められるのである。その恒常化と迅速性は政策の信頼にもつながる。
9 「国の政策」と「自治体の政策」の特徴
ここでは、「国の政策」と「自治体の政策」について相対的な特徴を表3に表した。そこでは、総合性、迅速性、地域性、分権性という自治体政策の長所を生かすことが自治体議員・議会には求められよう。また、国の政策の短所である、縦割り、時代錯誤、全国画一という特徴に留意するとともに、多様性、広域性、人員、財源、権限、情報、集権性という国の政策の特徴を適切に活用する力が自治体議員・議会には問われる。