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2020.11.10 議員活動

第2回 政策の特徴と限界

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6 政策の体系性・階層性

 公共政策の特性として「政策の体系性・階層性」が挙げられる。秋吉は、政策体系を構成する政策、施策、事業の階層間の目的手段関係とその連鎖が重要であるとする(秋吉 2015a:34)。また、南島和久が指摘しているように、行政の職員は「部分最適」にとらわれてしまい、「全体最適」を見失いがちであり、そうであるからこそ現実の行政実務では、このような「政策の体系性」が規範として求められることになる。行政計画は行政内部の個々の部局(組織)の取組みや個別の断片化された予算では総合的な成果を上げることができないという問題意識から出発しているとする(南島 2018:32)。
 自治体議員には、個々の行政が縦割り・断片化を超克するように、全方位の視点を持ち議会の機能を発揮することが求められている。

7 政策の合理性

 南島によれば、政策の合理性には「手続の合理性」と「内容の合理性」がある。前者は「ofの知識」、後者は「inの知識」とも呼ばれている。「手続の合理性」とは、あらかじめ定められた手続に沿って政策が決定されることやルールに従って政策が実施されることをいう。「内容の合理性」とは、政策の内容が専門的技術的な観点から見て適切であることや、政策に投入される費用と効果の関係が最適であることなどをいう。従来は、「手続の合理性」によって政府政策の合理性を主張できたが、現代政府においては「内容の合理性」まで求められる。それだけ、求められる合理性の水準が高度化しているということである(南島 2018:27)。
 自治体議会にも、従来にも増して自治体政策をめぐり「手続の合理性」だけでなく「内容の合理性」が市民や行政から求められている。首長提出議案・議員提出議案のいずれでも、賛成・反対のいずれでも、議決責任として「手続の合理性」と「内容の合理性」が求められる。そのことを可能にするのは、議員そして議会の政策力である。

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