地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2020.11.10 議員活動

第2回 政策の特徴と限界

LINEで送る

4 投入可能資源と政策

 政府が政策に使える資源は限られている。人員、財源、権限、情報、時間といった資源は有限である(=「政府政策の有限性」)。このことは、政府政策の限界を意味する。であるからこそ、シビル・ミニマムやナショナル・ミニマムの言葉が示すように、政府政策は最小のものでなければならない。

5 「政策の悪構造」と「政策の複雑性」

 政策の主体や客体は、公共政策・政府政策ともに市民、団体(法人)、政府(自治体、国、国際機構)のそれぞれがまた多様である。市民は一人ひとり考え方が異なる。団体の構成員は意見が食い違うこともある。自治体では二元代表が政策の違いで争うこともある。国では国益と省益の違いから政策が進まないこともある。国際機構では国の利害が対立することで世界的な課題への取組みが遅れる事例も見受けられる。このことは「政策の悪構造」としても知られている。
 秋吉貴雄によれば、「政策の悪構造」は意思決定者が多数であるとされ、どのような状態を目指すかという目標が不明確であり、必ずしも合意がとれているわけではないとされる。そして、代替案の数は、無限定的に多数あるとされる。さらに、代替案がどのような結果をもたらすかということに関しても、景気状況といった問題の環境が将来どのようになるかは不確実であり、予測することが不可能であるとされる(秋吉 2015b:68−69)。
 また、「政策の複雑性」を構成するものとして秋吉は、①全体性、②相反性、③主観性、④動態性という四つの特性があるとする。①の全体性とは、個別の政策問題は他の政策問題と相互に関連しているため、それらの問題との関連性を踏まえた上で、大きな一つのシステムとして検討しなければならないということである。②相反性とは、一つの政策問題の改善が他の問題の悪化につながる可能性が高いということである。③主観性とは、問題にかかわる個々のアクターのそれぞれにおいて問題と認識されるものが異なるということである。④動態性とは、政策問題は、時間とともにその構造や要因も変化してくるということであるとする(秋吉 2015a:28−30)。
 自治体議員・議会には、これらを解決する政策の模索が求められる。

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年 428

日本銀行開業(明治16年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る