2020.11.10 議員活動
第2回 政策の特徴と限界
元・大和大学政治経済学部教授 田中富雄
1 政策とは
政策とは、図1に表したように現状を将来像・理想に近づけるための問題解決の方向性と手法・手段である。
2 公共政策と政府政策
私たちの生活にかかわる公共的な政策(=公共政策)は、図2に示すように政府政策を含む。その政策主体は、市民、団体(法人)、政府(自治体、国、国際機構)など多様である。そして、その主体は、価値観、利害、立場がそれぞれ異なる。また、公共政策の政策主体は、それぞれ政策の対象である政策客体となりうる。
一方、政府政策は、公共政策のうち政策主体が政府(自治体、国、国際機構)である政策である。その主体は、前段にも示したように価値観、利害、立場がそれぞれ異なる。政府政策の政策客体には、表1に示すように市民、団体(法人)、政府(自治体、国、国際機構)それぞれがなりうる。
これらのことは、ややもすると市民、団体(法人)の持っている公共政策についての能力を過小評価ないし過大評価することにつながり、シビル・ミニマムやナショナル・ミニマムの判断に謬(びゅう)(=間違い)が生じうる。そのため、政府政策の検討に当たっても、市民や団体(法人)が持っている力(=「市民・団体の公共政策力」)を適正に考慮することが必要となる。自治体政府政策におけるシビル・ミニマムと「市民・団体の公共政策力」と国のナショナル・ミニマムは相互に影響を与え合うからである。