地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2020.10.26 議会改革

第13回 自治財政における議会の役割を再認識する

LINEで送る

3 歳入に関する議会の役割

 地方自治体の収入には、様々なものがあるが、地方自治法が定めているものとしては、①地方税、②分担金、③使用料(加入金を含む)、④手数料、⑤地方債がある。
 これらは、自治体の自主財源となるものであり、その定めについては議会が決定することになる。また、そのほかに、自治体によっては大きな割合を占めているものとして、国からの地方交付税、地方譲与税、国庫支出金などがある(1)。これらは、依存財源と呼ばれ、国庫支出金については使途が特定された特定財源となるもので、それらの財源については、国の決定によることになり、自治体議会が関与する余地は乏しい。
 ところで、地方自治体は、自主財政権の一つとして自主課税権をもち、これに基づいて課税を行うことになるが、この自主課税権について、最高裁は、神奈川県臨時特例企業税条例事件・最判平成25年3月21日民集67巻3号438頁で、自治体が、その財産の管理、事務の処理及び行政の執行を行うためには、その財源を自ら調達する権能を有することが必要であることからすると、地方自治の不可欠の要素として、その区域内における自治体の役務の提供等を受ける個人又は法人に対して国とは別途に課税権の主体となることが憲法上予定されているとしている。
 地方税は、自治体が、その経費に充てるために、公権力をもって一般住民より徴収する租税であり、自治体は、地方税法の定めに従って、地方税を賦課徴収するが、地方税法は、地方税に関する大綱について定めるものであり、住民の納税義務は、具体的には自治体の地方税条例によって発生する。地方税条例では、税目、課税客体、課税標準その他地方税の賦課徴収について定めることになるが、地方税法は自治体の課税権の枠組みを示す標準法とされているとはいえ、実際には、自治体が課税の内容について自主的に定めることができる範囲はあまり広くはないのが現状だ。この点、神奈川県臨時特例企業税条例事件最高裁判決は、自治体が課することができる租税の税目、課税客体、課税標準、税率その他の事項については、憲法上、租税法律主義(84条)の原則のもとで、法律において地方自治の本旨を踏まえてその準則を定めることが予定されており、これらの事項について法律に準則が定められた場合には、当該準則に拘束され、地方税条例の制定・改正はこれに従って行われなければならないとし、地方税法の定める法定普通税についての規定は、標準税率に関する規定のようにこれと異なる条例の定めを許容するものと解される別段の定めのあるものを除き、任意規定ではなく強行規定であるとの判断を示している(2)

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る