地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2020.10.12 議員活動

第1回 政策課題と議論

LINEで送る

9 主体的な自治体議員の研修、市民や行政に開かれた自治体議員の研修

 自治体議員の研修は、議員が役職(例えば、議長や委員長)に就いてから実施する、受講すれば足りるというものではない。例えば、議長に就任したときに議長としての研修が行われても、一定程度の効果は期待されるであろうが、大きな期待はできない。議長になる前から、議長になるつもりで、研修にも個人として参加しているような議員でないと、議長になっても市民のために役立つことは難しい。委員長にしても同じことがいえる。
 議会として開催される研修であれば、市民と議会の間で、お互いを知り信頼関係を築くためにも、そして地域の政策課題を共通のものとするためにも、市民に開かれた公開のものであることが望ましい。同様に、行政にも開かれた公開のものであることが望まれる。そのような場に豊かな議論が生まれる。

10 「自治体議員研修体系(の再構築)の連鎖」は「議論の連鎖」とともに

 自治体議会における研修が広がりを見せている今日、図に示すように議員研修体系(の再構築)は、議員の人事政策(の再構築)そして自治体政策[全体](の再構築)に大きな影響を与えるもの、効果的なものでなければならない。そうでなければ、地域の政策課題を超克すること、市民の信託に応えることはできない。
 今、自治体には、議員研修を通じた自治体再構築が求められている。そして、これらの取組みは、その輪を広げることが期待されている。つまり、後続の取組みが促進されるような方策(「議員研修体系(の再構築)の連鎖」、「議員の人事政策(の再構築)の連鎖」、「自治体政策[全体](の再構築)の連鎖」)が求められている。そして、これらの連鎖は、議論の連鎖とも相互に連なっている。
政策型1-4

■参考文献
◇秋吉貴雄=伊藤修一郎=北山俊哉(2015)『公共政策学の基礎〈新版〉』有斐閣
◇焦従勉(2020)「地域の持続可能性と政策」焦従勉=藤井誠一郎『政策と地域』ミネルヴァ書房、1〜12頁
◇田中富雄(2011)「政策力を高める職員研修」地方自治職員vol. 625、257〜276頁
◇田中富雄(2015)『一目で伝わる! 公務員の図解で見せる資料のつくり方』学陽書房
◇土山希美枝(2019)『質問力で高める議員力・議会力』中央文化社
◇土山希美枝=村田和代=深尾昌峰(2011)『対話と議論で〈つなぎ・ひきだす〉ファシリテート能力育成ハンドブック』公人の友社
◇松下圭一(1991)『政策型思考と政治』東京大学出版会

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る