2020.09.10 議員活動
自治体法務検定演習問題を解いてみよう(その25)
正解及び解説
■基本法務
〔正解〕②
〔解説〕この問題は、憲法分野からの出題である。①は憲法20条1 項後段、③は同条3 項、④は憲法89条前段の内容であるが、これらの規定はいずれも政教分離原則を定めたものであると理解されている。それに対し、②を定める憲法20条2 項は信教の自由を保障した規定であるため、妥当でない。(基本法務テキスト41,64頁)
■政策法務
〔正解〕③
〔解説〕①、②は妥当でない。官僚制に対する肯定的な見方としては、マックス・ウェーバーの官僚制論が有名であり、階統制の原則(階層的に整序された職務体系)、公私の区別の原則(職務と私生活の分離)などを特徴とする官僚制は、近代社会において最も合理的な組織形態と捉えられている。③は妥当である。官僚制の逆機能として、法令万能主義、セクショナリズム(縦割り体質)、管理の悪循環、組織目的の形骸化と内向き体質などが指摘されている。④は妥当でない。自治体職員に対して「法律に基づく行政」の原理を強調すると、法令自体の欠陥やより大きな政策目的を軽視しがちになる(法令万能主義)。なお、法令や組織秩序を軽視し裁量権の濫用や組織運営の混乱が生じる(官僚制原則からの逸脱)のは、「政策目的の実現が大事だ」と強調した場合である。(政策法務テキスト314~315頁)