予算決算審査サイクルとは
今回のテーマである「予算決算審査サイクル」はどのようにして確立したのか。平成19年に当選した8人の新人議員は、民間企業の出身であったり、会社経営の経験があったり、商工会議所や青年会議所などの経験があったりといった、若い子育て世代であった。この8人の経験から「民間企業は決算を重視し、黒字の事業を伸ばし、赤字の事業は縮小・廃止するのが当たり前となっているのに、議会は決算を認定事項だというだけで、チェック機能が甘くなっている」と感じ始めた。
このような観点から、決算から見えてくるものを、現在執行中の予算をチェックしながら次年度予算に反映することができるよう、予算決算委員会の全会一致でとりまとめた提言を市長に通知するという決算を重視したサイクルを確立した。その際には、議員間自由討議にて徹底した議論を行っている。
図1 予算決算審査サイクル
これまでに、予算決算における提言等は、予算の減額修正1件、増額修正1件、二つの付帯決議と40件以上の提言を行い、政策に生かされている。特に、平成24年に行った付帯決議では、子どものいじめ防止の専門委員会設置についての予算化時に、条例化がなされていないことから早急に条例化することを付帯決議とし、日本で最初の「子どものいじめの防止に関する条例」を制定することができた。この後、ちょうど他市でいじめを苦にした子どもの自殺事件が起きたことから、全国的にも注目を集めることとなった。