会津若松市議会議長 清川雅史
1 はじめに
会津若松市は福島県の西部に位置する会津地方の中心都市であり、面積は382.99平方キロメートル、人口は約12万人(令和元年12月1日現在)である。
奥州の要として、伊達政宗や蒲生氏郷、上杉景勝、加藤嘉明、保科正之など、名だたる大名が治め、史跡や歴史的建造物が数多くある。特に鶴ケ城や、幕末の戊辰戦争において白虎隊が自刃した地である飯盛山は、歴史愛好家の聖地として、多くの観光客が訪れている。
近年は、「スマートシティ会津若松」を掲げ、ICTを健康や福祉、教育、防災、交通、環境といった生活を取り巻く様々な分野で活用し、快適に暮らすことのできるまちづくりを進めている。
この取組みの一環として、官民連携により整備したICTオフィスビル「スマートシティAiCT」は、魅力的なオフィス環境を整備し、ICT関連企業を誘致することにより、首都圏からの新たな人の流れと、雇用の場の創出による若年層の地元定着を図るものであるが、今後、ICT関連企業の集積や、誘致企業と地元企業との交流により、さらなる地域経済活性化の起爆剤となることが期待される。
本市議会の議員定数は28人であり、総務委員会、文教厚生委員会、産業経済委員会、建設委員会、予算決算委員会(理事会及び四つの分科会)の五つの常任委員会と議会運営委員会のほか、地方自治法100条12項に基づく協議又は調整を行うための場として議員全員協議会、各派代表者会議、広報広聴委員会を設置している。さらには、会津若松市議会基本条例等に基づき、政策討論会(全体会、四つの分科会及び議会制度検討委員会)、予算審査決算審査準備会(理事会及び四つの分科会)を設置している。
2 議会改革と政策サイクルの概要
本市議会における予算審査・決算審査の取組みについて、理解を深めていただくために、その背景となる議会改革の概要について説明する。
本市議会は、平成20年6月定例会において、会津若松市議会基本条例を賛成総員で可決した。以来、議会基本条例に基づき、政策サイクルの主要3ツールである①市民との意見交換会、②広報広聴委員会、③政策討論会により、市民意見を起点とした政策サイクルの確立と実践に取り組んでいる(政策サイクルの概要については図1参照)。