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2020.02.10 議会運営

第8回 契約議案

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議会事務局実務研究会 野村憲一

契約締結行為の位置付け

 自治体が行政事務の中で物品の購入や工事の請負などを行う場合、相手方と対等な立場で契約を結びます。地方自治法(以下「法」といいます)は、自治体が契約を締結する方法として、一般競争入札を原則とし、その他政令で定める場合に限り、指名競争入札、随意契約又はせり売りによることなどを定めています(法234条)。
 多くの契約ではお金のやりとりが生じます。自治体の場合、使いみちを予算という形で定め、これに基づいてお金を動かしますから、契約の締結は予算の執行行為であり、長の権限に属します(法149条2号参照)。

議会の議決を要する契約

 法96条1項5号は、「その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結する」には、議会の議決を要するとしています。契約の締結は長の権限ですが、自治体の財政規模から見て一定以上の金額に達するものは、住民の利害にも大きく影響するため、議会も責任を持って関与し判断すべきであることから、議会の議決事件とされていると考えられます。
 この「政令で定める基準」とは、法施行令121条の2 及び別表第三を指し、議会の議決を要する契約の種類及び金額について、図表のように最低額を定めており、各自治体はこの基準をもとに条例を定めています。
無題
 条例により議会の議決を要するとされる契約は、議会が可決することで成立します。したがって、自治体職員としては、当該契約の締結に議会の議決が必要かを判断できるようにならなければなりません。まず、契約の種類は「工事又は製造の請負」に限られますから、例えば役務の提供を目的とする業務委託契約の締結は、いかに金額が高額であっても議会の議決は不要です。また、金額とは予定価格のことで、「消費税込み」の金額と解されています。複数の工事に分けて発注することでそれぞれの契約金額が条例所定の金額より低くなる場合、専門性が異なるなど分割して発注する合理的な理由がなければ、議会の議決を免れるための脱法行為に当たるおそれがありますから、注意が必要です。

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