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2020.01.10 議会運営

参議院比例代表選挙において特定枠名簿登載者のいる政党等の当選者はどのように決まるか/実務と理論

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3 設問の検討

 以上を踏まえ、以下の事例における当選者について検討する。
・定数:10
・A党:ア候補者名票200万票、イ候補者名票150万票、ウ候補者名票100万票、エ候補者名票40万票、オ候補者名票10万票、政党名投票160万票
・B党:カ候補者名票180万票、キ候補者名票100万票、ク候補者名票90万票、ケ候補者名票80万票、コ候補者(特定枠名簿登載者)名票40万票、政党名投票50万票
・C党:サ候補者名票100万票、シ候補者名票70万票、ス候補者名票30万票、セ候補者(特定枠名簿登載者)名票10万票、政党名投票90万票 

(1)各参議院名簿届出政党等への議席の配分
​ まず、各参議院名簿届出政党等の総得票数(政党等名得票数に当該政党等に係る各参議院名簿登載者の個人名投票数を加えた数)は、A党が660万票、B党が540万票、C党が300万票となっている。この総得票数に基づき、ドント式により議席を配分すると、各参議院名簿届出政党に割り当てられる議席の数は、表のとおり、A党が4議席、B党が4議席、C党が2議席となる(法95条の3第1項)。
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(2)A党の当選人(4議席)  
 最も個人名得票数の多い者から順に、ア、イ、ウ及びエが当選人となる(法95条の3第3項)。

(3)B党の当選人(4議席)  
​ まず、特定枠名簿登載者であるコが優先して当選人となる。続いて、非拘束名簿式名簿登載者について、最も個人名得票数の多い者から順に、カ、キ及びクが当選人となる(法95条の3第4項)。  
​ なお、仮にコが特定枠名簿登載者でなかった場合は、カ、キ、ク及びケが当選人となったものである。

(4)C党の当選人(2議席)  
​ まず、特定枠名簿登載者であるセが非拘束名簿式名簿登載者に優先して当選人となる。続いて、非拘束名簿式名簿登載者について、最も得票数の多いサが当選人となる(法95条の3第4項)。  
​ なお、仮にセが特定枠名簿登載者でなかった場合は、サ及びシが当選人となったものである。

4 おわりに

 以上、改正法による特定枠制度の導入について解説しつつ、参議院比例代表選挙において特定枠名簿登載者のいる政党等の当選者がどのようにして決まるかについて、具体的事例をもとに検討を行ってきた。  
 本問が、各地方公共団体の担当部局において、特定枠制度への理解を深める一助となれば幸いである。

(※本記事は「自治実務セミナー」(第一法規)2019年10月号より転載したものです)

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