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2020.01.10 議会運営

参議院比例代表選挙において特定枠名簿登載者のいる政党等の当選者はどのように決まるか/実務と理論

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2 制度の概要

 参議院比例代表選出議員の選挙については、非拘束名簿式が採用されている。すなわち、各参議院名簿届出政党等の得票数(当該参議院名簿届出政党等に係る各参議院名簿登載者の得票数を含むものをいう。以下同じ)に基づき、ドント式(各参議院名簿届出政党等の得票数を一から当該参議院名簿届出政党等に係る参議院名簿登載者の数に相当する数までの各整数で順次除して得たすべ ての商のうち、その数値の最も大きいものから順次に数えて当該選挙において選挙すべき議員の数に相当する数になるまでにある商で各参議院名簿届出政党等の得票数に係るものの個数をもって、それぞれの参議院名簿届出政党等の当選人の数とする方式)で議席が配分され、各参議院名簿届出政党等における参議院名簿登載者の間における当選人となるべき順位は、その得票数の最も多い者から順次定められることとなっている(公職選挙法(昭和25年法律100号。以下「法」という)95条の3)。  
 しかし、改正法により、参議院比例代表選出議員の選挙について、非拘束名簿式を維持しつつ、補完的に拘束名簿式が導入されることとなった。すなわち、参議院名簿の届出をする政党等は、候補者とする者のうちの一部の者について、優先的に当選人となるべき候補者として、その氏名及びそれらの者の間における当選人となるべき順位をその他の候補者とする者の氏名と区分して名簿に記載することができることとされ(法86条の3第1項。このようにして参議院名簿に記載された者を以下「特定枠名簿登載者」といい、その他の参議院名簿登載者を以下「非拘束名簿式名簿登載者」という)、特定枠名簿登載者の当選人となるべき順位は、非拘束名簿式名簿登載者より上位とされた(法95条の3第4項)。なお、「一部の者」を特定枠名簿登載者とすることができるものであるから、一人を除いて特定枠名簿登載者とすることも法的には可能である旨、提案者から説明がされている。
​ この場合において、選挙人は、特定枠名簿登載者の氏名を記載することにより投票を行うことも可能であるが、特定枠名簿登載者に係る有効投票は、参議院名簿届出政党等の有効投票とみなすこととされた。   
​ なお、特定枠名簿登載者については、その有効投票は当該参議院名簿届出政党等の有効投票として取り扱われ、またあらかじめ当選人となるべき順位が決まっており、非拘束名簿式名簿登載者のように名簿登載者個人の得票数によって当選人となるべき順位が決まるわけではないことから、参議院名簿登載者個人としての選挙運動手段は原則として認めないこととされている。  
​ ただし、ウェブサイト等を利用する方法や、電話、個々面接、幕間演説などの選挙運動手段については、法上原則として自由に行うことができるものであることから、特定枠名簿登載者も行うことができるものである。  

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