2019.10.25 議会改革
【セミナーレポート】つなぐ議会改革~市民と議員の条例づくり交流会議2019夏~
勉強する雰囲気が広がる生駒市
次に、生駒市議の中浦新悟氏が、「議論できる議会へ!~議員による新人議員研修」と題して報告を行いました。生駒市では、2007年に元議長、元市長による汚職事件が発生し、議会に対する注目度が大きくなりました。その後の改選後は、古くからの巨大会派に入ることが敬遠され、新人だけで会派を組んだり、会派を組まなかったりなど、その後も、改選のたびに無会派が増える傾向が強まっていき、先輩議員から学ぶ機会が少なくなっていったこともあり、調査の仕方がわからなかったり、発言をしないなどという議員が増え、議会改革ランキングが下がり、年間の一般質問の回数が減っていくなど議会機能が徐々に低下していきました。そこで、2期目議員を講師とする新人議員研修を1会派プラス無党派議員有志で企画をし、他会派にも呼びかけをし、今年5月7日に開催をしました。研修内容は、講師をする2期目議員が考え、議会(議案)の流れや、議会構成(委員会の種類)、議員提案の方法、一般質問のやり方などが行われたと紹介しました。講師役の2期目議員は「講師になると自分も勉強をする」と感想を述べ、新人議員だけでなく、2期生のモチベーションも上がり、議会全体に勉強する雰囲気作りができたとお話しされました。
取手市は議員が意識目線を職員に
最後に、取手市議会事務局次長の岩﨑弘宣氏が登場した。岩﨑氏は、取手市議会の事務局と議員の関係性について、「議員が意識目線を職員レベルまで下げている」「基本的に議員に対し是々非々の発言ができる」「事務局提案にあまり抵抗感を示さない」と述べられました。事務局がファシリテータとなり、女性議員による意見交換会が行われたり、中高生とコラボしながらの研修や、事務局職員が講師をする議員研修会を開催していることを紹介しました。その目的は、初当選議員も、ベテラン議員も「議会の理解」を平準化、深化したい、させたいことや、議会と事務局職員の融和・優和・友和・宥和が挙げられました。研修は、傾講体験、会議規則事例研究などのワークショップ、新人議員による模擬一般質問などを行うことを紹介しました。
4氏による報告後は、パネルディスカッションや一般質問を行い、事務局からの提案をどのようにうまくやるか、事務局や議員との関係性についてなどの議論が行われた。「カリスマ性のある事務局員の後継者について」という話題では、「純然たる後継者は難しいところ。外部的な部分は難しいが、システムなどの内部ノウハウ的な部分は引き継いでいく」「潔く自分が責任をもつようにした」などの意見がでました。
「チーム議会」も注目されるなか、議員と事務局職員が一丸となって「議会改革のタマシイ」をいかに次世代に繋いでいくか、今後の議会改革の次なるステージとしての一歩が踏み出されたような熱を会場全体に感じました。