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2019.08.27 政策研究

成年後見制度の現状及びその利用促進─中核機関の整備等─

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5 利用促進法及び基本計画を受けて地方自治体が取り組むべきこと

 自治体が取り組まないといけないことの概要は次のとおりです。
(1)利用促進法との関係
 ア 市町村
 市町村においては、以下の点に対応する必要があります。
  ・国の計画を勘案して市町村計画を策定すること
  ・地域連携ネットワークづくり
    中核機関の設置、地域連携ネットワークの段階的整備 等
 イ 都道府県
 都道府県においては、次の点に対応する必要があります。
  ・広域的見地からの市町村の支援等

(2)基本計画との関係
 ア 市区町村における成年後見制度利用のニーズ把握の方法の検討
 イ 地域の専門職との連携の在り方(地域にどのような専門職がどのくらい存在するのか、その専門職とどのように連携をとって「協議会」を作っていくか、家庭裁判所との連携はどのように図るのか)の検討

(3)基本計画の内容
 基本計画には、おおむね次のような内容が規定されています。
① 権利擁護支援の地域連携ネットワーク及び中核機関の整備
 ・全国どの地域に住んでいても、成年後見制度の利用が必要な人が制度を利用できるような地域体制の構築を目指す。
 ・各地域における相談窓口を整備するとともに、成年後見制度の利用が必要な人を発見し、適切に必要な支援につなげる地域連携の仕組みを整備する。
 ・また、本人の自己決定権を尊重し、身上保護を重視した成年後見制度の運用を行うため、本人の状況に応じて、本人に身近な親族、福祉・医療・地域の関係者と後見人がチームとなって日常的に本人を見守り、本人の意思や状況を継続的に把握し必要な対応を行う体制を構築するとともに、福祉・法律の専門職が専門的助言・相談対応等の支援に参画する仕組みを整備する。こうしたチーム対応は、連携して本人を支援する既存の枠組みも活用しながら行う。
 ・このため、各地域において、専門職団体や関係機関が連携体制を強化するための協議会等を設立し、各専門職団体や各関係機関が自発的に協力する体制づくりを進める。
 ・さらに、専門職による専門的助言等の支援の確保や、協議会等の事務局など、地域連携ネットワークのコーディネートを担う中核的な機関(以下「中核機関」という)の設置に向けて取り組む。
 ・こうした取組は、市町村等が設置している「成年後見支援センター」や「権利擁護センター」などの既存の取組も活用しつつ、地域の実情に応じて進めていく。
② 担い手の育成
 ・後の成年後見制度の利用促進の取組も踏まえた需要に対応していくため、地域住民の中から後見人候補者を育成しその支援を図るとともに、法人後見の担い手を育成することなどにより、成年後見等の担い手を十分に確保する。
③ 個別の内容について
 前記①について──
 市町村は成年後見制度の利用促進の核となる機関である中核機関を設置しなければなりません。その中核機関には次の役割が求められます。
 ・司令塔機能
 地域の権利擁護支援・成年後見制度利用促進機能の強化に向けて、全体構想の設計とその実現に向けた進捗管理・コーディネート等を行う。
 ・事務局機能   地域における「協議会」を運営する。
 ・進行管理機能 
 地域において「3つの検討・専門的判断」を担保する。 なお、現在の調査回答における中核機関の設置状況は6で述べるとおりです。
 前記②について──
 一人暮らしの高齢者の増加。意思決定に支援を必要とする人の見込みを考えると、専門職だけが後見人になるのでは後見人のなり手が足りないため、市民後見人の育成などを進めていく必要があります。

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