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2019.08.27 政策研究

成年後見制度の現状及びその利用促進─中核機関の整備等─

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3 成年後見制度の利用の促進に関する法律の制定とその内容

 このような後見制度の利用の伸び悩みを受けて、2016年5月、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」(以下「利用促進法」という)が施行されました。この法律は、全15条からなり成年後見制度の利用促進の基本理念や国等の責務などが定められています。

(1)基本理念について
 基本理念については、第3条で定めています。そこでは「成年後見制度の理念を踏まえて利用促進を図ること」、「地域の需要に対応すること」、「成年後見制度の利用に必要な体制の整備」の3つの内容が定められています。
 現状では本人の意思が最も制限される「後見」の利用率が最も高く、「保佐」、「補助」類型の利用が低迷していること、現在のところ本人に後見人が就いた場合、財産の管理に重点が置かれ、後見人による身上保護の面が不十分であることに鑑み、改めて成年後見制度の理念を確認したものといえます。

(2)国、地方公共団体の責務について
 利用促進法では、4条、5条で次のように定めています。
―――――
 (国の責務)
第4条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
 (地方公共団体の責務)
第5条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、成年後見制度の利用の促進に関する施策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
―――――
 その法律での規定を踏まえて、以下のとおり国は基本計画を策定するなど対応を進めているところです。

【主な取組の概要】
 平成29年3月、成年後見制度利用促進基本計画(以下「基本計画」という)を閣議決定
■利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善
 ・財産管理のみならず、意思決定支援・身上保護も重視した適切な後見人の選任。
 ・本人の置かれた生活状況等を踏まえた診断内容について記載できる診断書の在り方の検討。
■権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり
 ・制度の広報、制度利用の相談、制度利用促進(マッチング)、後見人支援等の機能を整備。
 ・本人を見守る「チーム」、地域の専門職団体の協力体制(「協議会」)、コーディネートを行う「中核機関(センター)」の整備。
■不正防止の徹底と利用しやすさとの調和
 ・後見制度支援信託に並立・代替する新たな方策(※預貯金の払戻しに後見監督人等が関与するイメージ)。
■市町村は国の計画を勘案して市町村計画を策定し、合議制の機関を設置する努力義務あり

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