2019.08.13 議会運営
第45回 議会は本会議場を子どもの自習室として開放できるか?
議会事務局実務研究会 吉田利宏
お悩み(寺子屋派さん 60代 市議会副議長)
市議会副議長です。ニュースで、ある議会の取組みを見て「これだ」と思いました。夏休みの間、本会議場を子どもの自習室に開放しているというのです。夏休み期間中は定例会の谷間で議会はお休みです。本会議場を子どもたちのために使うことはすばらしいことだと思います。すぐにでも行いたいのですが、事務局長は「難しい」といいます。しかし、議長が判断しさえすれば議会の施設を公の施設とすることは可能だと考えますが、いかがでしょうか。
回答案
A 議会の施設も市長の管理下にある。市長側と調整した上で、議会運営に差し障りがない範囲で自習室として開放することは可能である。
B 議会の施設であり管理権は議長にある。議長の判断だけで本会議場を一定の期間、公の施設とすることは可能である。
C 本会議場も含め議会の施設は議会審議のためにある。したがって、議会のイベントとしてならともかく、単に子どもの自習室として開放をすることはできない。
お悩みへのアプローチ
兵庫県太子町や茨城県境町で夏休み、本会議場を子どもの自習室として開放していることが話題となっています。確かに、閉会中、本会議場が使われることはめったにありません。子どもたちに議会を身近に感じてもらう機会にもなります。昔だったら、「議会の権威にかかわる」という議員がたくさんいたでしょうが、議会主催の議場コンサートや子ども議会などを実施する議会も増えて、こうした反対論はずいぶんと影を潜めました。ただ、どのような仕組みで、どのように実現するかについては、十分な検討がなされていないような気がします。事務局長に尋ねても「難しいですね」というだけかもしれません。議会の努力だけで解決できることなら、一般質問でこの問題を取り上げるわけにもいきません。「どうしたら実現できるのか?」、そんなモヤモヤした思いでいる議員もいるのではないでしょうか。