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2019.07.25 政策研究

第13回 新人議員との懇談会を主催する小平市の住民グループ~議会改革の真の主体は議員を選び、チェックし、育む住民である~

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可視化される議員個々の実像

 新人議員らは主催者側から事前に話すテーマを二つリクエストされていた。一つは、「議員として取り組みたいことはどのようなことですか」というもの。そして、二つ目は「6月定例会でどのような一般質問をされましたか」であった。懇談会に参加した住民にもそれらを記載した資料が配布されており、多くの人が資料に目を落としながら議員の話に耳を傾けていた。その配布資料をめくりながら、いくつか驚いたことがあった。
 一つは、新人議員が全員、6月定例会で一般質問を行っていたことだ。初当選直後の議会ですでに全員がデビューを果たしていたのである。さらに驚いたのは、主催者側が用意した配布資料の中に、各議員が行った一般質問の通告書のコピーが添付されていたことだった。議員が提出した一般質問の通告書の内容を熟読すれば、それぞれの議員の関心分野や得意分野、さらには問題意識や調査研究の度合いなどがおのずと見えてくるからだ。議員本人の肉声とおそらく必死の思いで作成したであろう通告書に触れることで、住民たちに各議員の姿がより鮮明に見えてきたのは間違いないだろう。

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新人議員が住民の中に入って対話

 新人議員による5分間スピーチが終了し、懇談会は休憩なしで第二部に移った。新人議員9人が五つのグループに分かれ、五つのテーブルを回って住民と懇談するのである。各テーブルに7人から10人の住民がいて、その中にいる「政治・知りたい、確かめ隊」のメンバーが司会役を務め、議員との懇談となった。
 あるテーブルに加えてもらって話を聞いてみたが、住民側が議員の話を聞くというよりも、議員に話を聞いてもらう方が多かった。それも議員個々の得意分野を話題にし、住民側から情報の提供や質問、意見などがなされたのである。選挙前の公開演説会にも参加し、議員の人となりをある程度知っている住民が多かったのかもしれない。議員を前にして緊張したり、気後れしたりという雰囲気は全くなかった。
 議員らは三つのテーブルを順繰りに回り、予定の1時間があっという間に過ぎてしまったのである。こうして2時間に及ぶ新人議員との懇談会は幕となり、森野さんがこんな言葉で会を締めたのだった。「懇談会に出席してくださった議員の皆さん、どうか今日の市民の声を一般質問などに生かしていただきたい、執行部に伝えてもらいたい。市民の声を大切にしていただける皆さんだと思っております」。そして、会場に詰めかけた住民にもこんな声をかけたのだった。「8月4日に(議会主催の)市民と議会の意見交換会があります。こちらにもぜひご参加ください。(配布した)資料の中に8月と9月の議会日程表があります。どなたでも議会を傍聴することができます」。

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