2019.07.25 政策研究
第13回 新人議員との懇談会を主催する小平市の住民グループ~議会改革の真の主体は議員を選び、チェックし、育む住民である~
地方自治ジャーナリスト 相川俊英
地方議会が住民との意見交換会を開催するのは、もはや当たり前である。それも年に1回ではなく、定例会後に数か所で開くのが一般的となっている。広がってしまった地域住民との距離を縮めようと、いずこの地方議会も懸命なのだ。しかし、そうした議会・議員側の努力や思いが住民側にすんなり受け入れられるわけでもなく、会場内に議員の姿ばかりが目につくというケースも珍しくない。本来、より身近な存在であるはずの地方議会が、住民の視野からすっかり外れてしまっているのである。もちろん、そうしたズレや乖離(かいり)が生じている要因は議会・議員と住民の双方にある。
東京の小平市で議員懇談会が開かれると聞き、大慌てで取材に赴いた。市議会ではなくて住民らが主催し、しかも、4月の統一地方選で初当選した新人市議のみを集めた懇談会だというので、大いに関心をそそられたのである。そうした形での議員懇談会の開催は初耳であったからだ。
主催者は小平市の「政治・知りたい、確かめ隊」(森野やよい・代表)という住民グループだ。公民館の市民講座を受講した人たちが立ち上げた自主サークルで、2003年から市議会の傍聴などを続けており、年に4回、「議会ウォッチングをしてみました」という傍聴記を発行している。会員は現在40人ほどで、男女半々。このグループによる新人議員を集めての懇談会は今回が3回目(2011年と2015年)という(「政治・知りたい、確かめ隊」については連載中の「自治の担い手の再生」第10回(議員NAVI 2018年10月25日号)に詳述)。