2019.07.10 議会運営
第1回 議会という組織
権限も多層的
まるでロシア人形のマトリョーシカのような議会の組織には、法律等でそれぞれ権限が定められています。
例えば、議会全体の意思は本会議での議員の議決で決定しますが、委員会でも委員の議決により委員会としての意思決定がなされます。議案や修正動議の提出は、議員(法112条、115条の3)のほか、委員会もその所管事項に関するものであれば可能です(法109条6項)。議長は通常の多数決(出席議員の過半数の賛成)では表決に加わりませんが(法116条2項)、過半数より多くの賛成を要する事件(特別多数議決。法115条1項ただし書、135条3項など)では、議長も一人の議員として表決に加わります。
その他、当該自治体の事務に関する調査権(法100条1項。いわゆる百条調査権)は議会の権限であり、その行使には本会議の議決が必要ですが、多くの場合、当該調査のために特別委員会を設置して、これに事件とともに調査権を付与することが行われます。百条委員会は、本会議の議決で議会の百条調査権を与えられた委員会のことで、この権限に基づき証人を呼ぶことができます。一方で、委員会には所管事項や付議事件に関する調査権(法109条2項?4項)がありますから、委員会は議決をもって独自に調査を行えますし、必要により参考人を呼ぶこともできます(同条5項が準用する法115条の2)。