議会事務局実務研究会 米津孝成
1 はじめに
条例は、法令や政策に適合した内容で成立し、適切に運用されることによって、住民の福祉の増進のために役立つ成果を上げることが期待されています。
条例の適切性を確保する最も重要な機会は、条例案(条例の制定、改正、廃止の案)に対する議会の議案審議ですが、執行機関では、条例案を議会に提案する前に、条例案の手法と内容が所定のルールにのっとっているかどうかの事前審査を行っています。この事前審査を「条例審査」といいます。
議会の議案審議と執行機関の条例審査は、条例の適切性の確保を目的とする点で大きく重なり合います。したがって、条例審査の手法と内容を理解することは、議案審議において執行機関と充実した議論を行うために役に立ちます。
そこで、本稿では、条例審査の手法、対象、視点の概要を通して、執行機関において、条例審査がどのようにして行われているのかをご紹介します。