2019.03.11 なり手不足
定員割れによる再選挙──群馬県昭和村議会議員選挙
東京大学名誉教授 大森彌
公職選挙法は、市町村議会議員の一般選挙において、立候補の届出が議員定数を下回り、欠員が定数の6分の1を超えた場合は、欠員分の再選挙を行うよう定めている。その場合は、14日間の異議申立期間を経て、50日以内に再選挙を行わなければならない。それが群馬県昭和村で起こった。
昭和村は、人口約7,400人、群馬県中部の赤城山の北西に位置し、高原野菜や特産のコンニャク芋の生産が盛んな地域である。1982年に22人であった議員定数は徐々に減らされ、2006年の一般選挙から現在の12人になっている。2014年選挙では13人が立候補して選挙は投票になった。
定数12人の昭和村議会の場合は、定数の6分の1は2人である。立候補者が10人いれば再選挙は避けられた。しかし、あと1人及ばずに再選挙ということになった。再選挙での立候補届出は女性2人と男性1人の新人3人であった。ちょうど定数の12人になり、無投票当選となった。地元村議がいない地区を中心に侯補者擁立が模索されたという。
最初の当選者9人は、8人が現職、1人が元職で、全員が男性、年齢は60歳代、職業は7人が農業、政党役員が1人とパートが1人であり、再選挙での当選者3人は、いずれも新人で、男性は自営業で50歳代、女性2人は60歳代、1人は無職、1人は農業である。12人中11人が無所属、1人が共産党である。ちなみに、昭和村議会議員の現行の報酬は、議員が月額17.7万円、議長が24.8万円、副議長が19.9万円である。