2019.02.12 政策研究
第25回 住民自治を進める会派・地域政党の構築(上) ――〈住民、会派・地域政党、首長〉の三者間関係から考える――
なお、この会派の5つの要素から、全国政党と会派の関係(同一政党所属でも政策集団として分かれたり、他の政党に所属する者と会派を形成する場合の可能性(ポスト獲得のためだけの会派形成は論外))、さらに議会内運営単位を会派と呼ぶが、外(住民)との関係を重視して後援会を超えて社会(住民)を意識し、社会に根ざした政策集団として登場する可能性、つまり地域政党(どう呼ぶかはともかく)の形成の可能性(本連載では首長主導型とは異なる二元的代表制を強化する手法の開発として位置付ける)も視野に入る(会派の要素ⅠとⅣの延長で考慮される)。
【参考:政党の定義】
従来の会派の定義が、政党の規定に引きずられていることは、理解できる。ただし、議院内閣制とは異なることは意識されている。なお、本連載では二元的代表制という特性を踏まえてその系譜の要素とともに他の要素(要素Ⅲ~Ⅴ)も考慮すべきことを提案している。
政党は政治集団である(括弧内は筆者の要約)(阿部齊・内田満・高柳先男編(1999)『現代政治学小辞典〈新版〉』有斐閣)。
① 「メンバー間の何らかの程度の政治的志向の一致に基づいて結成され」(共通の理念や政策の実現を目指す)
② 「国民的利益を集約し、選挙民の支持を背景に政権を担当し、あるいは政権獲得を目指す」(政権獲得を目指す)
前者だけだと政治的利益集団と性格が重なる。なお、猪口孝・大澤真幸・岡沢憲芙・山本吉宣・スティーブン・R・リード編(2000)『政治学事典』弘文堂、の「政党」の項目でもほぼ同様である。