2018.07.10 政策研究
第22回 総合計画と行政評価
3 自治体財政の1年
(1)1年の流れ
自治体財政の1年間は、計画、行政評価、議会が相互に関係している。自治体により、その動きは異なるが、一例を示すと以下のようになる。
(2)PDCAサイクル
自治体の財政を考える際に、計画、行政評価、議会の動きは欠かすことができない。それらがどのように関係しているのかを理解しないと、自治体財政の全体を見渡したことにはならない。
これは、PDCAサイクルの視点から説明することができる。PDCAサイクルとは、plan、do、check、actionという1つの流れを指す。一般的には、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の1つと説明される。Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善することができる。
これを自治体に当てはめれば、Plan(計画)は実施計画であり、予算ともいえる。Do(実行)は、実施計画の観点から考えれば、実績(事業量、住民満足度など)となり、予算から考えれば、決算が確定することによって執行率や不用額が判明する。
Check(評価)は、こうした実績に基づき、行政評価を実施することになる。その方法は、行政自身の内部評価、外部の有識者等を含んだ外部評価の方法がある。いずれにしても、評価を行い、その結果に基づき各部署は来年度の予算要求を行う。
行政評価に基づいた予算要求としては、「防災普及啓発事業の執行率が悪いので、事業そのもののあり方を見直す」、「子育て分野の需要が高いため、来年度はその分野に重点を置く」など、いろいろと考えられる。こうした部分がAction(改善)となる。
議会との関係でいえば、9~10月に決算議会が開かれる。そこで、決算の実績なども含め、事業のあり方など幅広い観点から審議が行われる。その後、予算編成が始まり、予算ヒアリングや予算査定が行われ、実施計画も検討される。また、予算案が確定するとともに、議会で予算案が審議されて可決され、予算が決まる。