2018.02.13 政策研究
第17回 地方財政と議会②(予算の決定と決算の認定)
江東区福祉推進担当部長 武田正孝
新人議員の新(あたらし)議員(だんご市議員1期目、30代・女性)の叔父に当たる前財(ぜんざい)課長(おわん市課長、50代・男性)は、おわん市でかつて財政課長を務めていました。新議員は前財課長に自治体の財政について、いろいろと質問をしています。
前財(ぜんざい)課長
おわん市入庁30年目。昨年度まで財政課課長を務めていた。50代半ばを迎え、後進の育成に熱心に取り組んでいる。
新(あたらし)議員
だんご市市議会議員。昨年の4月に地方選挙で議員になったばかり。民間企業での勤務を経て、議員を志した。まちづくりや教育に興味がある。年齢は33歳と、議会の中でも最若手。前財課長の姪(めい)っ子。
昨日は、本当に参りましたよ。

どうしたんだい?

数日前、ある市民の方が、家の近くにある市道の状態が悪いから、何とかしてくれって言うんです。そこで、場所を聞いて一緒に見にいったんですが、言うほどひどくないんですよ。それでも、一応、道路課長にも話したんです。でも、やはり「問題ありませんよ」という答えで……。

そうだろうね。

昨日、その方に、その話をしたんですが、「あんたは、何もやってくれない!」と怒鳴られて。結局、怒って帰ってしまいました。

議員さんも、大変だね。

大して問題のない場所を整備したら、それこそ、他の市民からクレームが来ますよね。改めて、予算の使われ方ってことを考えてしまいました。

なるほどね。では、今回はその予算の決定と決算の認定について、議会の関わり方を見ていこうか。
