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2018.01.25 議会運営

第57回 議長等による委員派遣の同行

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 なお、本会議において期限を付さない継続調査(審査)は行政実例昭和25.5.3のとおり、原則として次の会期、すなわち次の定例会の会期末まで継続調査(審査)の効力が存続する。

○継続審査と期限(行政実例昭和25.5.3)
 閉会中の審査期間は、必ずしも次の会期までとは限らないが、その継続審査に特に期限を付さない限りは、原則として次の会期までと解するのが相当である。

 さて、本問においては、先例によりすべての議会運営委員会に正副議長が出席していることから、議会運営委員会の行う先進地視察調査に正副議長を同行させる手法を考える必要がある。
 その手法として考えられるのが、①議会運営委員会の委員に準じて委員派遣により先進地視察調査に同行させる、②委員派遣でなく議員派遣により先進地視察調査に同行させる、の2通りが想定される。
 しかし、①の委員派遣の手続を用いて正副議長を議会運営委員会の視察に同行させることは困難である。なぜなら、正副議長が議会運営委員会の委員の身分を有しているならともかく、委員としての身分を有していなければ委員派遣の手続を用いることは不可能だからである。
 それゆえ、②の議員派遣の手続を用いることとなる。
 つまり、議会運営委員会が行う先進地視察調査の委員派遣と同様の目的・内容で議会を代表して正副議長を派遣するということとなる。
 この議員派遣の手続を正副議長に対して用いる場合、別個に分けて考える必要がある。
 なお、議員派遣とは法100条13項に根拠規定を有し、①議会が議案の審査のために必要があると判断したとき、②普通地方公共団体の事務に関する調査のために必要があると判断したとき、③その他議会において必要があると認めるときに、会議規則の定めるところにより議員を派遣することができる制度である。
 まず、議長の取扱いであるが、議長を議員派遣により派遣するに当たっては、法100条13項の規定に基づく場合と、議員派遣の手続を要せず派遣をすることが可能な場合とに分けられる。
 議長といえども一議員として、例えば研修等に参加するために派遣される場合には、議員派遣の手続を必要とする。
 しかし一方で、議会を代表して各種会議に出席するための議長の派遣であれば、特に議員派遣の手続を要しない。本問の場合、議長の職に着目した派遣であるため議員派遣の手続を要することなく議会の代表として派遣させることができる。
 続いて、副議長の派遣の取扱いであるが、副議長は議長が事故又は欠けない限り、一議員と何ら変わりがないため、議員派遣の手続が必要となる。
 以上により、議会運営委員会の委員派遣に正副議長が同行するに当たっては、議長は議会を代表しての派遣であるため議員派遣の手続を必要とせず同行することができ、副議長は議員派遣の手続により同行することができる。
 最後に、委員会が委員派遣を行った後、当該委員派遣を行った委員は委員会に報告する義務はないため、報告するかどうかは任意である。しかし、委員派遣は委員会の審査又は調査のため費用弁償により公費を支出し、その活動を行っていることから、委員派遣において得られた情報を委員会において報告する運用とするのが適当である。

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