地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2017.12.11 政策研究

第15回 決算②(決算と財政指標)

LINEで送る

3 財政健全化法

 平成19年に交付された地方公共団体の財政の健全化に関する法律(以下「財政健全化法」という)に基づき、自治体は毎年、①実質赤字比率、②連結実質赤字比率、③実質公債費比率、④将来負担比率の4つの指標(健全化判断比率)を公表する。これにより、自治体の財政状況が客観的に示される。

(1)指標
 各種指標の内容は以下のとおり。
① 実質赤字比率
 一般会計等の赤字の程度によって、財政運営の深刻度を示す指標。実質赤字(普通会計に相当する一般会計及び特別会計)の標準財政規模に対する比率。
② 連結実質赤字比率
 すべての会計の赤字の程度によって、自治体全体の財政運営の深刻度を示す指標。実質赤字(全会計を対象とした実質赤字。法適用企業は資金不足額の合計額)の標準財政規模に対する比率。
③ 実質公債費比率
 借入金の返済額及びこれに準じる額の程度によって、資金繰りの危険度を示す指標。一般会計等が負担する元利償還金及び準元利償還金の標準財政規模に対する比率。
④ 将来負担比率
 将来負担すべき実質的な負債等の程度によって、将来の財政負担の大きさを示す指標。一般会計等が将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模に対する比率。

(2)財政健全化団体・財政再生団体
 これら各種指標が一定の基準を超えた場合には、財政健全化団体、又は財政再生団体となる。

20171211_1_1

 財政健全化基準がいわゆるイエローカード、財政再生基準がレッドカードである。
 早期健全化段階においては、自主的な改善努力による健全化が図られることになる。具体的には、長が財政健全化計画を作成し、議会の議決を経て定め、速やかに公表する。また、総務大臣・都道府県知事へ報告するとともに、毎年度、その実施状況を議会に報告し、公表する。
 財政再生段階においては、国等の関与により健全化を目指す。同様に、長が財政再生計画を作成し、議会の議決を経て定め、速やかに公表する。また、総務大臣・都道府県知事へ報告するとともに、毎年度、その実施状況を議会に報告し、公表する。さらに、議会の議決を経て、総務大臣に(市町村及び特別区は都道府県知事を通じて)協議し、その同意を求めることができる。

なるほど、いろいろな指標があるんですね。

新議員

企業も同じだけど、まずは自治体も破産しないことが大切だし、また、安定した財政状況であることが必要だよね。

前財課長

でも、自治体によって財政状況は、かなり異なりますよね。

新議員

そうだね。指標によっては、全国平均が公表されているものもあるから、比較することもできるね。

前財課長

最近では、人口減少で住民サービスを削減せざるを得ない自治体も出ていますよね。

新議員

もちろん、住民にとってはサービスの内容が増えたり、種類が多くなったりすることはよいことだけど、自治体の財政が破綻してしまっては、そんなこともいっていられないからね。

前財課長

今回で、自治体の財政を判断する視点を持てたような気がします!

新議員
 

今回のおさらい

1 歳入分析として、一般財源比率・自主財源比率などがあり、歳出分析として、経費の目的別分類、性質的分類による分析などがある。
2 決算により各種の財政指標を算出することができ、財政の健全性などが判断できる。
3 財政健全化法に基づき、自治体は毎年、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4つの指標(健全化判断比率)を発表する。

この記事の著者

議員 NAVI

今日は何の日?

2025年 616

新潟地震(震度6)起こる(昭和39年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る