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2017.02.10 選挙

第1回 事前運動の禁止と限界

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弁護士 金岡宏樹

1 はじめに

 公職選挙法(以下「公選法」といいます)といえば、国・地方を問わず議員又は議員にならんとする読者の皆様にとって、必ず向き合う法律です。
 ところが、この法律は大まかにしか規定していない部分が多く、いったいどこまでが許され、どこからが許されないのか非常に分かりにくくなっています。
 筆者は、弁護士登録をしたまま、約3年弱、国会議員政策担当秘書として議員の選挙や地元活動のサポートを務めてきました。
 その中で、やろうとすることが公選法に反しないか選挙管理委員会に問い合わせたところ、「警察の判断による」と言われ、それならばと所轄に問い合わせたら今度は「そのときによるので分からない」と答えられ、結局どうなのか結論が出なかったことがありました。
 読者の皆様も、「警告されたらやめておこう」とか「他陣営がやっているなら大丈夫だろう」というような、ある意味「感覚」に頼っている方も多いのではないでしょうか。
 そのような「感覚」ではなく、なにがしかの「根拠」をもって判断ができるよう、筆者が法律家としての視点と秘書活動で感じた実務的感覚を踏まえつつ、特に悩みやすい点に絞り3回にわたって解説していきたいと思います。
 第1回目の今回は、事前運動の禁止と限界についてです。最終的な判断は裁判所によってなされるため、事前運動かどうかを事前に確実に判定する方法は残念ながらありません。
 しかし、少なくとも「ここは危ない」という勘所を知れば、陥りやすい失敗のリスクを下げられるのではないでしょうか。

2 本題の前に……公選法と付き合う視点

 最初に、公選法とうまく付き合うための視点を理解しましょう。
 それは、ひとえに実例や過去の判例と照らし合わせ、そのポイントをつかむことです。
 公選法にはこれまでも多くの行政実例・解釈や裁判所によって判断された前例(判例)が存在します。これら実例や判例等を分析すれば、違法と合法の間にどのような基準ないし線引きがあるのかがある程度見えてきます。
 「周りもやっている」、「ライバルがやっている」、「これまで警告されたことがない」といっても、これまで問題とされなかっただけかもしれません。突然、警告・摘発されて驚くことのないよう、しっかりと理論武装をすることが肝要です。

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