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2016.12.12 政策研究

第3回 予算には様々な種類がある

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江東区政策経営部企画課長 武田正孝

 新人議員の新(あたらし)議員(だんご市議員1期目、30代・女性)の叔父に当たる前財(ぜんざい)課長(おわん市課長、50代・男性)は、おわん市でかつて財政課長を務めていました。新議員は前財課長に自治体の財政について、いろいろと質問をしています。

前財(ぜんざい)課長
おわん市入庁30年目。昨年度まで財政課課長を務めていた。50代半ばを迎え、後進の育成に熱心に取り組んでいる。


新(あたらし)議員
だんご市市議会議員。昨年の4月に地方選挙で議員になったばかり。民間企業での勤務を経て、議員を志した。まちづくりや教育に興味がある。年齢は33歳と、議会の中でも最若手。前財課長の姪(めい)っ子。

前回までで、自治体財政の基本的な構造やルールについて、何となく分かった気がしました。でも、やはり財政っていうと予算がメインですよね。

新議員

そうだね。決算もあるけど、新年度の予算編成が、何といっても自治体の中では大きなイベントだね。

前財課長

議員もどんな新事業を行うのか、目玉事業は何かなど、注目しますよね。

新議員

財政課長にとっては、予算委員会でどんな質問がされるのか、本当に気になるんだ。でも、予算、予算って簡単にいうけど、予算にはいろいろな「姿」があることを知っている?

前財課長

えー、知りません。何ですか、その予算の「姿」って?

新議員

予算の様々な側面とか、機能といってもいいかな。今回は、予算をキーワードに、その予算の「姿」を見てみようか。

前財課長

1 当初予算と補正予算

 「当初予算」とは、会計年度前に議会に提出され、議会の議決を経て成立する予算で、当該年度の基本的な予算である。「補正予算」とは、当初予算編成後に、予算の追加や変更を行うために編成される予算である。当初予算・補正予算ともに議会の議決が必要となる(地方自治法96条1項2号)。

(1)当初予算
 当初予算とは、文字どおり年度当初の予算のことをいう。例えば、平成28年度当初予算であれば、通常、当該年度前である平成28年3月に議決して決定される。当初予算は、首長が記者会見を行ってマスコミ向けに発表したり、新聞報道されたりすることが多い。このため、当初予算が当該年度のすべての予算のように思えるが、通常は年度途中に追加して予算を編成する(補正予算)。

2)補正予算
 補正予算とは、当初予算編成後の年度途中に、予算の追加や変更を行うために編成される予算。補正予算を編成する理由は様々あり、例えば、急きょ、経済対策として新たな事業を行うことになった、国が新たな事業の実施を発表して自治体としても予算化が必要になった、災害が発生したなどがある。当初予算編成時には想定できなかったものや、予算化が困難だったものが対象となる。
 なお、この場合の財源(歳入)は、基金を取り崩したり、地方債を発行したり、前年度の繰越金を活用したりと様々である。
 また、補正予算は必ずしも予算の増額だけとは限らず、減額することもある。例えば、当初予算で予定していた事業が、災害のため事業の実施が困難になり、その分を減額するなどの場合もある。

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