2016.12.12 議会改革
第29回 議会の説明責任とはどのようなものか
実務の輝き・提言
間接民主主義の申し子さんにご理解いただけたかどうか不安ですが、間接民主主義の申し子さんは自ら「説明責任を果たす必要はない」と述べているので、議論のしようもあるというものです。もし、そう主張し続けてさらに当選を重ねたとしたら、投票してくれた住民との関係では信用を裏切る行為はしていないことになります(決して褒められたものではありませんが……)。
よりやっかいなのは、議会基本条例に説明責任を明記しているのに、全くそれを実行しようとしない議会です。個々の議員の採決態度がホームページからも議会だよりからも分からず、審議されている議案の内容もネット上示されていない。議会報告会も1回やったきりで、その後、開催する気配がない。政務活動費関連の文書も情報公開請求をしないと見ることはできない。事務局が改善を議長にそれとなく伝えても、一向に前に進む気配がない。議会基本条例を定めた700を超える議会の中には、こうした議会もあります。
そんなときには、事務局が主導して、少し「うるさ型」の研修講師を呼んでみましょう。研修会場が一瞬凍りつくかもしれませんが、議員はよほどのことがない限り、外部の講師に反発することはありません。後で、事務局の担当者は叱られるかもしれませんが、その折にはこういいましょう。「本当に失礼な講師でしたね。あんなことを話すなんて思わなかったなぁ……、いや、申し訳ありません」。そういっておいて、来年はさらに直言してくれる講師を呼ぶことにしましょう。