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2016.08.10 政策研究

第2回 ヘイトスピーチ解消法及び大阪市ヘイトスピーチ対処条例の検討

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4 大阪市ヘイトスピーチ対処条例の概要

(1)目的
 ヘイトスピーチ対処条例は、ヘイトスピーチが個人の尊厳を害し差別の意識を生じさせるおそれがあることに鑑み、ヘイトスピーチに対処するために大阪市がとる措置等に関し必要な事項を定めることにより、市民等の人権を擁護するとともにヘイトスピーチの抑止を図ることを目的としている。

(2)「ヘイトスピーチ」の定義(2条)
 ヘイトスピーチ対処条例における「ヘイトスピーチ」とは、以下ア〜ウの全部に該当する表現活動をいうものとされる。
 ア 以下(a)〜(c)のいずれかを目的として行われるものであること
  (a)人種若しくは民族に係る特定の属性を有する個人又は当該個人により構成される集団(以下「特定人等」という)を社会から排除すること
  (b)特定人等の権利又は自由を制限すること
  (c)特定人等に対する憎悪若しくは差別の意識又は暴力をあおること(当該目的が明らかに認められることが必要)
 イ 表現の内容又は表現活動の態様が以下(a)又は(b)のいずれかに該当すること
  (a)特定人等を相当程度侮蔑し又は誹謗(ひぼう)中傷するものであること
  (b)特定人等(当該特定人等が集団であるときは、当該集団に属する個人の相当数)に脅威を感じさせるものであること
 ウ 不特定多数の者が表現の内容を知り得る状態に置くような場所又は方法で行われるものであること

(3)拡散防止の措置及び認識等の公表(5条)
 市長は、後記ア又はイに該当する表現活動がヘイトスピーチに該当すると認めるときは、①事案の内容に即して当該表現活動に係る表現の内容の拡散を防止するために必要な措置をとるとともに、②当該表現活動がヘイトスピーチに該当する旨、表現の内容の概要及びその拡散を防止するためにとった措置並びに当該表現活動を行ったものの氏名又は名称を公表するものとされる。
 ア 大阪市の区域内で行われた表現活動
 イ 大阪市の区域外で行われた表現活動で、
  (a)表現の内容が大阪市民(居住者だけでなく在勤、在学者も含む)に関するものであると明らかに認められるもの、又は
  (b)大阪市の区域内で行われたヘイトスピーチの内容を大阪市の区域内に拡散するもの
 前記措置及び公表は、市長が職権で行うだけでなく、表現活動が自らに関するヘイトスピーチに該当すると思料する特定人等である市民等の申出がなされた場合にも行われるものとされる(5条2項)。

表2 解消法と対処条例における「ヘイトスピーチ」の定義及び法的対応の比較表2 解消法と対処条例における「ヘイトスピーチ」の定義及び法的対応の比較

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