2015.12.25 議会改革
マニフェスト大賞こそ地方創生~10年のあゆみとこれから~
3 縁の下の力持ち、LM地議連の働き
手づくりの授賞式
マニフェスト大賞は、受賞者を決める審査以外をLM地議連の運営委員で組織するマニフェスト大賞実行委員会が担っている。第1回目から続く協賛金の募集から応募者集めに加え、授賞式の運営も行っている。今年からは、授賞式の技術的なことも含めて司会やディレクション、受賞者をアテンドしたり、記念撮影の言葉をかけたりすることも議員が自ら中心となり行った。“手づくり”といえるような式でもある。
これは費用面を抑える意味もあるが、議員が自ら行うことで、他人任せではなく自らのイベントであり、自らの力で地方政治を変えていく意気込みを表している、ということにしているが、それはそれで時間がとられることもあり、ひと苦労ともいえる。苦労をともにした分、実行委員同士の結束が高まっているのはマニフェスト大賞のひとつの効果といえそうだ。
マニフェスト大賞の課題
マニフェスト大賞の課題は、もちろんある。「毎年増えていく応募数をいったいどこまで伸ばせばいいのか」が、その最たるものだ。
当初は全国で約1,800の自治体があるから、1自治体で優れた政策を1つと考えれば、1,800あれば十分と安易に考えたこともあった。だが、2,000を超えてしまうと、そうともいっていられない。毎年、“過去最高の応募数”という枕詞で授賞式が始まることを考えると、どこまで伸ばせばいいのかが最大の課題といえよう。
現在の応募状況としては、自ら応募される方も多いが、運営委員や協賛している早稲田大学マニフェスト研究所が優れた政策などを人脈や各種調査から探し出し、応募してもらうよう連絡してというケースも少なくない。また毎年、応募は締切りである8月末に集中してしまうことから、“夏休みの宿題状態”ともいわれている。年間を通じての応募ができるようになるか、この実現可能性は大きな課題である。
一方でマニフェスト大賞が世に広がることにより、負の効果も出ている。それは、「議会改革で有名なあの議会と比較されても、受賞できるわけがない」、「どうせ落選するのだから応募はしない」といった声をよく聞くことだ。応募へのハードルが上がってしまったことでの弊害だ。
マニフェスト大賞の水準が上がることはうれしいことでもあるのだが、よい政策を競い合うこと、応募することで自らの活動を振り返ることにつながっていることを考えると、上記のような声も今後のマニフェスト大賞の課題だろう。これまでもそうであったが、これからも、この対応を考えなくてはならない。