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2015.12.25 議会改革

『地方議会に関する研究会報告書』について(その6)

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規模と専門性

 また、これまでも触れたように、『報告書』は、人口規模に着眼した枠組みを持っている。それによれば、小規模団体では代表性が重視されているようである。しかし、これは積極的に代表性を重視しているというより、小規模団体では専門性が確保できにくいということが、暗黙の前提になっているようである。これに対して、大規模団体では代表としての立場に加え、首長の財政運営などについて専門的な見地から判定する能力など「専門性」の要請が高くなるとしている、からである。つまり、大規模団体でも代表性が必要なくなるわけではない。
 政策分野の知見という専門性であれば、分業した方が有利であるから、議員数の多い大規模団体の方が相対的には有利であろう。しかし、地域社会への知見という点では、比較的に住民の流動性も低く、人口の少ない、小規模団体の方が有利かもしれない。とはいえ、小規模団体は人口は小規模でも、面積が広く、歴史的沿革が複雑なことが多く、習熟は非常に難しいともいえる。要は、人口規模で単純に区分して考えるという『報告書』のイメージは、簡単には生きてはこないのである。

【つづく】


(1) 『報告書』そのものに忠実に表現すると、「Ⅲ」とローマ数字が裸で記載されており、「第Ⅲ章」という表記ではない。しかし、本稿では、単に「Ⅰ」「Ⅱ」……では分かりにくいので、章立てとみなして、「第Ⅰ章」「第Ⅱ章」……と表記する。その下位項目は「1」「2」……であるが、「第1節」「第2節」と表記する。さらに、その下位項目は、(1)①となっている。

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