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2015.10.26 政策研究

【フォーカス!】ごみ屋敷対策条例

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国と地方の今。明日の議会に直結する、注目の政策をピックアップして解説します。

ごみ屋敷対策条例

 ごみ屋敷対策のために条例を策定する自治体が目立ってきた。最近では大阪市、京都市、東京都足立区がそうだ。横浜市など追随する自治体も現れており、いわば〝第2の空き家条例〟の様相になっている。
 例えば、大阪市は2013年6月に「ごみ屋敷」対策条例のパブリックコメントを開始、市議会の成立を受けて2014年3月1日から施行している。条例の正式名は「大阪市住居における物品等の堆積による不良な状態の適正化に関する条例」。
 大阪市内では当時、77軒のごみ屋敷が確認されていた。条例の柱は、①原因をつくっている本人に対話・説得などのアプローチを行い必要に応じて調査を実施、②関係機関や専門家らから意見を聞くため各区役所に「対策会議」を設置、③市の指導、勧告に従わない場合は撤去命令、強制執行も、④命令や強制執行に当たって市は第三者審議会の意見を聞く―などとなっている。
 京都市が今年1月から全面施行した「不良な生活環境解消支援措置条例」の内容もほぼ同じだが、命令の違反者には5万円以下の過料という罰則も設けている例もある。京都市の場合は112軒のごみ屋敷が確認されているという。
 2013年1月に施行された東京都足立区の「生活環境の保全に関する条例」は、ごみ屋敷だけでなく「敷地内から生えている樹木が越境し迷惑をしている」「空き地に雑草が繁茂している」といった空き家管理のイメージもある。
 2012年度から2015年度までで、ごみ屋敷には141件の苦情があり69件が解決された。空き家の管理事案でも179件のうち116件が解決などとなっており、行政が所有者、原因をつくっている者と話し合うことで一定の改善がみられるという。
ただ、行為者の中には生活保護や通院の援助など総合的な支援が必要になる例も多い。社会福祉の部局と一体となったアプローチが必要なのは言でもない。
 ごみ屋敷の実態が明らかになっていないが、東京都世田谷区、横浜市、愛知県豊田市などの自治体が条例の策定を表明している。大阪市などの条例を参考にし、対策の取り組みが全国的に広がることになりそうだ。
 
・大阪市
http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000272730.html#2shiryo
・京都市
http://www.city.kyoto.jp/somu/bunsyo/kouhou/h2611/1111/1111_4.pdf
・東京都足立区
https://www.city.adachi.tokyo.jp/kankyo-hozen/241024.html
 
 

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