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2015.10.26 議会改革

『地方議会に関する研究会報告書』について(その4)

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決算だけでいいのか

 『報告書』は、決算不認定を個別論題にしているが、決算はあくまで予算過程の中の一部である。むしろ、議会で問題となるのは、予算編成における首長との制度的な権限配分と、実質的な権力関係とである。その基本は、予算調製権が首長に専属し(地方自治法149条2号)、首長が調製した予算を提出するのであって(同法211条)、議会側には予算提出権がないことである(同法112条1項)。また、予算修正権に関しては、減額修正には制限はないが、増額修正については、首長の予算提出権限を侵してはならないとされている(同法97条2項)。
 予算編成における首長の優位は非常に大きい。この点を『報告書』は個別論点としていない。表面的には、『報告書』が首長側の権限を維持しようというスタンスを持っているからである、と推測することもできる。しかし、より実際的には、個別の自治体議会の実践や、三議長会の要望などから、具体的な論点として具体化しないことが背景にあろう。議会側からも、予算編成や予算審議そのものへの関与を強めることに、及び腰であることを反映しているのであろう。

【つづく】


(1) 『報告書』そのものに忠実に表現すると、「Ⅰ」とローマ数字が裸で記載されており、「第Ⅰ章」という表記ではない。しかし、本稿では、単に「Ⅰ」「Ⅱ」……では分かりにくいので、章立てとみなして、「第Ⅰ章」「第Ⅱ章」……と表記する。その下位項目は「1」「2」……であるが、「第1節」「第2節」と表記する。さらに、その下位項目は、(1)①となっている。

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