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2015.08.25 議会改革

議会事務局から議会局へ

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議会・議員と「議会局」の関係

 地方公共団体は法人である。いずれの法人でも、法人の任務を遂行するために機関を置いている。法人としての自治体の場合は、議事機関としての議会と執行機関としての長等を置いている。そして、議事機関として議会を構成する議員と執行機関としての責任を負う長は直接住民の選挙によって選出されている。それゆえ、議会と長は民主的正統性を持っているとされる。住民の代表機関である点で、両者は対等な立場に立っている。対等な立場に立ちながら、自治体としてよりよき意思決定ができるよう「協働」する関係にあるということができる。
 自治体で働いている職員も、自治体という法人の機関なのである。ただし、議事機関、執行機関を問わず、職員は、この2つの中核機関の「補助機関」となっている。補助機関であるがゆえに、議会局職員は議長の、執行部の職員は長の指示に従うものとされている。上司と部下の関係が基本となっている。もし「協働」が対等者関係を前提にしているとすれば、議会局職員が、議会・議員と「協働」の関係に立つということはない。
 しかし、補助機関としての職員は、指示がなければ、上司の任務遂行に係る行動提案をしてはならないというわけではない。首長は、しばしば、補助機関としての職員に対して指示待ちでなく、率先して政策提案をするよう求めている。「補助機関」としての機能の中には、上司に当たる中核機関の意思決定のヒントになること(気がついていないこと、認識が不十分なこと、積極的な取組が望ましいこと、慎重に対処すべきことなど)を積極的に助言・提案することが含まれている。
 これまで、議会事務局の職員が議会・議員から指示・要請がないことを助言・提案することなどあり得ないと考えられてきた。事務局職員が積極的な助言・提案をするなどは、出すぎだ、越権行為だ、生意気だという意識が議会・議員だけでなく職員にも強くあり、そのため、議会事務局職員の意欲と能力は封じ込められてきたといえる。
 なるほど、職員は民主的正統性を欠いている。いかに有能でも、議事機関にとって代わることはできない。あくまで「補助機関」に徹すべき立場にいることは当然である。問題は、議会・議員側が、議会事務局にどういう「補助」を期待し、それをいかに激励するかである。それは、議会・議員自らが、それぞれの自治体と地域の実情に応じて、いかに積極的にその任務を遂行しようとしているかということによっている。
 自治体職員の定数削減が続く中で、議会事務局が議会局に替わっても、職員が増員されるわけではないだろう。増員に越したことはないが、今は、少数精鋭主義でいくしかないだろう。議会局にこそ、住民志向を持ち、意欲も能力も「並」以上の、できれば並はずれて優れた「人財」を集めることが求められている。

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