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2015.07.27 政策研究

【フォーカス!】新国立競技場

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国と地方の今。明日の議会に直結する、注目の政策をピックアップして解説します。

新国立競技場

  安倍晋三政権が、新国立競技場の建設と集団的自衛権行使を解禁する安全保障法制の制定を急いでいる。二つに共通するのが〝国際公約〟という外圧の利用だ。島国根性ともいわれて、周りからの評価が気になる国ならでは伝統的な政策手法だが、今回はどうか。
 新国立競技場は2020年に開く東京五輪のメーンスタジアムとなる施設だ。1千兆円にも上る借金を抱える国が選んだとは思えないゴージャスなデザインに加え、問題なのはその総工費だ。
2012年11月に選定した当初は1300億円と想定していたものの、五輪開催が決定した2013年9月の翌月、アーチ構造によるコスト増などから3000億円になることが判明した。最終的には延べ床面積の縮小や開閉式屋根の設置を五輪後に先送りすることで2520億円にすることで決着したはずだ。
 そのとき、止められない理由として挙がったのが国際公約。五輪招致に成功したときの安倍首相の演説で取り上げ、評価が高かったからとする。そうであるなら原発事故の状況は「コントロールできている」との言葉は守っているのか、突っ込みたくなるのも当然だろう。
 だが、本当に止められない理由は、五輪と関係ない前年のラグビーワールドカップ(W杯)に間に合わせるためだということが報道などで指摘された。さらに、総工費が大きく上方修正されたにもかかわらず、文部科学省も、建設主体の日本スポーツ振興センター(JSC)も含め誰もその責任を認めないずさんさがゴリ押しとも映った。
 最後は安倍首相が7月17日、ゼロベースで見直すとして白紙に戻すことを約束。リーダーシップを発揮する演出に使うことで難局を乗り切ったかにも見える。だが、本音を言えば、安保法制との二正面作戦はできないとの判断からだろう。
もう一つの国際公約とは、国会に安保法案を提出する前、米連邦議会で4月に行った演説で約束した早期成立のことだ。新国立競技場の問題では国民の声に耳を傾けるとしながら、安保法案への批判には耳を貸そうとしない。こちらの方がきっとメンツに直接かかわるのだろう。
 

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