2015.05.25 政策研究
【実例 東京都足立区】老朽家屋等の適正管理
庁内体制の整備と老朽家屋等審議会
条例の施行に先駆け、まずは担当組織を整えるとともに老朽危険家屋等の台帳整備に着手しました。当初は、担当課長ほか2名を配置して、取りかかりました(現在は、課長、係長は別として2名の職員で対応)。既存の組織の中で増員する方が容易ではないかと思われますが、区として早く条例を施行し、老朽危険家屋を解消していきたいという思いが表れた結果かと考えています。
老朽家屋等の調査結果としては、区内住宅家屋総数約13万5,000棟のうち、2,133棟が老朽家屋と判断されました。中でも特に危険と思われる88件を中心に審議会へ諮問しています。(当初は63件であったものが、経年劣化などにより2015年5月現在では88件)。
審議会の位置付けは、条例イメージ図(図2)にあるとおり、区の諮問機関であり、勧告や助成などの実施について、第三者機関として判断をいただいています。不動産関係者、建築士、弁護士の各外部委員のほかに、区の管理職で構成されています。
老朽家屋等解体工事助成
助成内容については、別紙に助成要綱を添付しています。具体的な手続では、老朽家屋等審議会での審議を経た後に勧告し、当該建物所有者等本人の同意を得て助成となりますが、建物所有者等の経済的事情や相続の問題、借地や固定資産税の問題などがあり、すぐに解体というわけにはいかず、解決には多くの場合で困難が伴います。状況に応じて、担当の職員が粘り強く足を運び、より良い方法についてアドバイス等を行いながら、建物の解体に結びつけていきます。条例の施行当初は、建物所有者等の方々も話に乗っていただけるケースも多かったのですが、年度を追うごとに困難物件が積み残る現状があります。
とはいえ、このまま老朽家屋等を放っておくことはできません。今後も粘り強く対応していきながら、老朽危険家屋等の解消に向けて取り組んでいきます。
【参考資料】
足立区老朽家屋等の適正管理に関する条例
足立区老朽家屋等の適正管理に関する条例施行規則
足立区老朽家屋等解体工事助成要綱
足立区老朽家屋等審議会運営要綱