2015.05.25 政策研究
【フォーカス!】◆ドローン規制
国と地方の今。明日の議会に直結する、注目の政策をピックアップして解説します。
ドローン規制
小型無人機「ドローン」の飛行規制づくりが急ピッチで進んでいる。首相官邸屋上で4月22日、ドローンが見つかったことが引き金だ。積極的平和主義を打ち出し集団的自衛権を可能にする法整備を進めながらも、司令塔である官邸は、空からの警備が手薄だったことが判明したといえる。
法規制はテロに対する備えという意味合いが強い。5月15日に自民党がまとめた飛行規制法案では、①首相官邸や国会議事堂、皇居など国の重要施設上空は飛行禁止、②違反者には1年以下の懲役または50万円以下の罰金―が柱となっている。
「空の産業革命」とも呼ばれるドローンは、撮影できる映像の面白さもあって人気は高い。利用の用途もどんどん広がっている。
ただ、悪意のある使い方をされた場合の規制の在り方は難しい。飛行禁止にしたとしてもそれを撃ち落すこともできず、結局は監視を強化し、周辺を見まわってドローンを飛ばしている人に注意を促すしかないだろう。
どの国でも同じで、ドローンが高性能になればなるほど、テロに使われる危険性は高まる。反対に規制は難しくなる。結局は、ドローンの全面禁止か人口密集地域での使用禁止、あるいは使用する場合は許可制にするなど、実効性のある規制方法は限定的だ。そうなれば、ドローンを使った新たな経済活動の可能性の目を摘むことになる。
一方、自治体の対応としては東京都や大阪市などが管理する公園での使用を禁止した。ラジコンのヘリコプターの使用を制限していることを考えれば当然だろう。観光地でも使用の自粛を呼びかけ始めている。落下したときの危険性とその責任問題があるからだ。
当面は使用者の良心に任せることになるが、ドローンの練習場をつくるなど安全な飛行のための投資も忘れてはならない。