はじめに
今号から、自治体議会における議会活動の現実と関連する法の立法趣旨とのズレをメインテーマに、課題ごとに現状分析し、目指すべき方向性について考えてみたい。
このようなテーマ設定をした動機は、筆者が2009年に執行部から当時の大津市議会事務局(2015年に「議会局」に改編)に出向した際に、自治体職員として覚えた違和感の記憶が、その根底にある。
執行部職員では、異動するとまず担当分野の法令、例規、要綱などを読解して仕事の大枠を把握し、前例や不文律などの非公式ルールの把握は最後である。それは、法に基づいて仕事をすることを義務付けられた公務員としては、当然の優先順位である。その上で課題に直面したときには、過去例を参考にしつつも時代錯誤との批判を受けないように、時点修正した新たな対応をするのが「できる職員」だと思っていた。
ところが、議会の世界では、同様に課題に直面したときには、先例、申し合わせを熟知していることが、「できる局職員」の要件であった。他議会の実情を聞いてみても同様で、議会運営委員会等の公式会議の場でも、先例や申し合わせに該当があれば、改めてその妥当性を議論することもなく前例踏襲することが常識の世界では、立法趣旨との整合性など顧みられず、それぞれの議会内部で都合のよいように運営されていると感じたのである。
なぜ、自治体議会でそのような文化が根付いたのかを考察すると、理由は多岐にわたるのだろうが、執行機関には議会という監視機関が存在するが、議会には制度的な監視機関がないことが一つの要因ではないだろうか。けん制する機関が存在しない機関であればなおのこと、本来、運営ルールの客観性を担保するためにも透明性を高めることが必要と思われるが、現実には逆に住民視点からは閉じられている議会の方が多い。
さらにいえば、最終的には選挙で有権者による審判を受けるのであるから監視機能はそれで果たされているとの論もあるが、選挙による審判を受けるのは執行機関たる首長も同様である。それにもかかわらず、現実には執行部と比しても議会の閉鎖性は強く、住民の目が届かない内部ルール優先の文化によって、全国でガラパゴス化が進展したのではないだろうか。
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