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2017.07.25 議会運営

第54回 追加議決事件の限界

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明治大学政治経済学部講師/株式会社地方議会総合研究所代表取締役 廣瀬和彦

追加議決事件の限界

QA議会では議会改革の一環として、議会の監視機能を強化するために地方自治法(以下「法」という)96条2項による追加議決事件を活用することを考え、政令で定める契約の金額以下のものについて規定することを考えている。このような追加議決事件を条例で規定することは可能であるか。

A地方議会においては、法96条1項において議決すべき事件として15項目が掲げられており、議会の議決事件については一般的に制限列挙されていると解されている。
 そして、民主的な行政運営の要請と執行機関による効率的な行政運営の調和を図り、地方公共団体の意思の決定機関としての議会の地位を尊重し、その機能を強化するため、法96条2項により必要と認められる事件を条例で議決事件として追加指定する途(みち)が開かれたものであるといわれている。

【法96条】
② 前項に定めるものを除くほか、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件(法定受託事務に係るものにあつては、国の安全に関することその他の事由により議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)につき議会の議決すべきものを定めることができる。

 ここで本問において問題となる契約については、法96条1項5号でその種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結する場合に議会の議決を要することとされており、地方自治法施行令121条の2において契約の種類については工事又は製造の請負とし、その金額については都道府県が5億円以上、指定都市が3億円以上、市(指定都市を除く)においては1億5,000万円以上、町村においては5,000万円以上で条例で定めるものを基準とする旨の規定がされている。

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廣瀬和彦(廣瀬行政研究所所長)

この記事の著者

廣瀬和彦(廣瀬行政研究所所長)

(株)廣瀬行政研究所代表取締役。 明治大学政治経済学部講師・明治大学公共政策大学院講師。 慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程卒。 全国市議会議長会で法制・議事運営等の職務に20年以上にわたり従事。 現在、(株)廣瀬行政研究所代表取締役、明治大学政治経済学部及び同公共政策大学院の講師をつとめる。 【雑誌連載】「議会運営Q&A」(『議員NAVI』第一法規)、「判例から読み解く政務活動費の実務」(『議員NAVI』第一法規)           【著書】『100条調査ハンドブック』(ぎょうせい・H20年)、『政務調査費ハンドブック』(ぎょうせい・H21年)、『Q&A地方議会議員ハンドブック』(ぎょうせい・H24年)、『地方議員ハンドブック』(ぎょうせい・H25年) 【共著】『自治体議会の課題と争点』(芦書房・H24年・中邨章監修、牛山久仁彦共著) 【論文】「二元代表制における地方議会議員定数・報酬の分析」(慶應義塾大学大学院修士論文)、「逐条市議会会議規則」(ぎょうせい「地方財務」)、「事業別自治体財政需要」(ぎょうせい「地方財務」) 【所属学会】日本政治学会・日本行政学会・日本地方自治学会・日本公共選択学会(幹事)・日本公共政策学会 【研究分野】地方自治論・議会運営論・政治学(計量分析) 【その他】日本経営協会講師

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