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2016.06.10 議会改革

【勉強会レポート】議会図書室改革を始めよう!!

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 2016年5月20日(金)、ローカルマニフェスト推進地方議員連盟主催のTOKYO勉強会「議会図書室改革を始めよう」に、『議員NAVI』編集部が取材に行ってまいりました。勉強会では、地方自治法で必置と定められている議会図書室の有効活用について様々な面から議論・提案がなされました。
 
 会の冒頭、早稲田大学マニフェスト研究所事務局長の中村健氏より、2015年に実施された議会図書室調査の結果報告と分析発表として、現在の議会図書室の問題と可能性が指摘されました。今回の全国規模の議会図書室調査(回答数748議会/回答率45%)は、日本で初めて実施されたものであり、これにより議会図書室が置かれている全体的な状況がようやく見えてきたことになります。地方創生時代における議決機関としての地方議会の役割を果たし、地域課題を解決していくためにも、議会図書室の改革は大きな課題となっています。
 
 続いて山梨学院大学教授の江藤俊昭氏より「まちの課題解決策が議会図書室にありますか?~議会改革の集大成が議会図書室~」として、ご講演がありました。冒頭、江藤氏は、「地方自治法100条19項と20項の重みをどう考えるのか」「調査研究は一般質問や提言に活かしてこそ」と述べました。「議会図書室は地域における重要な争点情報の集積の場」であるべきとし、例えば市民が議会(議会図書室)に行った際に、議会の会議録やそれに付随する説明資料、陳情や請願の記録、委員会の視察報告書、政務活動費等をそこで参照することができるのであれば、地域の課題をつかむことが可能となると指摘しました。議会改革の一つの指標でもある「開かれた議会」と議会図書室の有効活用は非常に密接に重なっています。

あああああああああああまちの課題解決策が議会図書室にありますか?と問う江藤俊昭教授

 その後、図書館総合研究所の佐藤達生氏より、「図書室・図書館の基本 使いこなせば、もっと機能が発揮できる!~本来のミッションと活用事例~」として、図書館の建て直しとまちづくりを併せて進めている徳島や青森の事例の紹介がありました。
 
 更に、国立国会図書館の塚田洋氏からは「図書館司書に学ぶ調査術」として、調査研究をする意義や議会図書室・図書館、各種DBの実践活用方法についてレクチャーがありました。
 
 最後のパネルディスカッションでは、パネラーとしてこれまでの登壇者が参加し、全体的なまとめがなされました。江藤俊昭山梨学院大学教授は「今日は、議会図書室を変えていくスタートであり記念日」と位置づけられました。そして、これからの議会図書室を考えていくにあたって次の7つの論点を特に掘り下げていきたいとしました。
 
 ①視点~議会図書室が重要であるという視点、②司書と議会事務局の関係・役割分担、③体系(基準(図書購入や廃棄等)、政務活動費との関係)、④ネットの利用(ネットを使うことも大事であるが、フォーラムとしての場、空間も大事)、⑤「誰」を支援するのか(個人、会派、委員会、関係のルール化)、⑥外部資源の活用(国立国会図書館、公立図書館、データベース、使い方ノウハウ)、⑦事務局の共同設置の問題性。

あああああああ会の終わりには、主催者によるグラフィックレコーディングの手法を使った振り返りも
 栗山町議会での議会基本条例制定から10年。議会改革はいまや第2ステージに突入したと言われていますが、今回のフォーラムテーマである「議会図書室の有効活用」は、今後議会が更なる『調査研究機能の強化』『開かれた議会の推進』を実践していくにあたって、重要な論点となってくると思われます。ローカルマニフェスト推進地方議員連盟では今後も勉強会を開いていくとしており、今後の議論・実践が注目されます。
 
■ローカルマニフェスト推進地方議員連盟
http://www.local-manifesto.jp/gikaigiin/

『議員NAVI』編集部

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