地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2015.01.10 政策研究

地域の課題を“集落”の視点で考える~飯綱町集落振興支援基本条例~

LINEで送る

 豊かな自然と美しい景観に恵まれた長野県飯綱町は、時に「ふるさとの原風景」と呼ばれるほど。人口は2005年の2村の合併を経て約1万1,900人、産業は米とリンゴの果樹生産など農業が中心です。
 昨今、人口減少問題は日本全体の喫緊の課題となっていますが、自治体ごとに多様なアプローチ方法があるでしょう。飯綱町では、行政の基礎単位であると同時に住民の生活の基礎単位でもある"集落"に着目しました。2013年6月に「集落機能の強化と行政との協働」をテーマにした政策研究グループを立ち上げ、メンバーである議長、総務産業常任委員会委員7人と住民の政策サポーター7人で、1年かけて農村の集落振興につき研究・議論を重ねてきました。この成果を政策提言書にまとめ、2014年6月町長に提出。さらに、長期的な視座で取り組むべき課題であるという認識の下、町長や議員が誰になっても集落活性化問題に継続的に取り組むようにと、同年9月に本条例を制定しました。
 条例1条で集落の振興支援について町の責務と町民の役割を明らかにするとともに、7条・8条では町長に毎年の「集落支援プログラム」策定並びに議会・住民への報告を定め、同プログラムの実施結果や成果・課題につき議会がチェックすることを規定するなど、理念だけでなく実効的な内容を盛り込んでいるのが特徴です。一昔前には当たり前のように見られた集落のお祭りや子どもの遊ぶ姿。住民自治を進め、集落の主体性を最大限に生かしながら伝統や文化、絆をいつまでもつないでいくために、飯綱町の取組が始まりました。

集落懇話会での一場面。集落の将来は住民主体で決める。集落懇話会での一場面。集落の将来は住民主体で決める。

飯綱町集落振興支援基本条例〔抜粋〕
平成26年9月26日
条例第29号

(目的)
第1条 この条例は、飯綱町集落の振興について、町の責務と町民の役割を明らかにするとともに、集落の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、集落の振興を総合的に支援し、もって、集落機能を強化し、町民誰もが各集落で、いつまでも暮らし続けられる地域社会の実現を図ることを目的とします。
(施策の取組方針等)
第7条 町長は、前条に定める指針にのっとり、集落の振興を支援する施策を総合的かつ計画的に推進するため、集落の振興を支援する施策の取組を「集落支援プログラム」にまとめ、毎年度、議会に報告するとともに、町民にこれを公表しなければなりません。
(年次報告)
第8条 町長は、毎年、「集落支援プログラム」の実施結果、成果や課題等について議会に報告し、これを公表しなければなりません。

写真提供:飯綱町議会事務局

この記事の著者

『議員NAVI』編集部

Copyright © DAI-ICHI HOKI co.ltd. All Rights Reserved.

印刷する

今日は何の日?

2024年 514

大久保利通暗殺される(明治11年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る