四日市市議会事務局
1 はじめに
四日市市議会では、平成23年に議会基本条例を制定以降、同条例の基本方針である「市民との情報共有」、「市民参加の推進」、「議員間討議と政策提言」の三本柱に基づく取組みを実施しており、議会報告会の開催をはじめ、委員会のインターネット中継、議案に対する意見募集、大型スクリーン・採決システムの導入など、様々な議会改革に取り組んできました。
これらの議会改革の流れを止めることなく、さらなる議会改革を進めるためには、基本方針の三本柱に基づく各種取組みをより充実・強化していくことが肝要であり、ひいては市民等の生活及び福祉の向上につながるよう努めていかなければならないとの思いから、平成30年に設置した議会改革特別委員会において、本市議会における現状の課題点の整理をはじめ、三本柱の中でも特に「議員間討議と政策提言」をより強化するための基礎となる政策サイクルに係る制度検討を開始しました。
検討の結果、現在の「決算審査と予算審査を連動させる政策サイクル」の仕組みを構築し、令和元年度から本格的に運用を開始しました。
2 決算審査と予算審査を連動させる政策サイクル──決算から次年度予算へ、切れ目のない三つのステップ
この政策サイクルの特徴は、決算から予算までを切れ目なく1年かけて連動させる仕組みにあります。
(1)ステップ1:「提言」8月決算審査
政策サイクルの出発点は、前年度決算を審査する8月定例月議会(1)です。ここで議会は決算の認定だけではなく、審査で見えた課題や改善点を、次年度予算に向けた具体的な「政策提言」として取りまとめます。
提言は、議会の総意として議長から直接市長へ手渡しています。行政はこの提言を尊重し、次年度の予算編成を行います。
(2)ステップ2:「提言チェック」2月予算審査
半年後の2月定例月議会では、次年度の当初予算案が審査されます。ここで重視するのが、8月に行った「政策提言」が予算案に反映されているかの確認です。議会の提言が予算にどのように反映されたのか、予算として反映されなかった場合は、何らかの対応が行われているのか等、行政に明確な説明を求めています。
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