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特集 猛暑を乗り切る!―熱中症対策の現状と課題―

2025.05.26 政策研究

救急搬送者を一人でも減らすための熱中症対策 ~吹田市の取組~

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吹田市環境部次長・環境政策室長 楠本直樹

【概要】 吹田市(以下「本市」という)は全域が市街化され、人工排熱の増加や緑地の減少等により、熱帯夜日数(最低気温が25℃以上の日数)が年間36日(2024年5年移動平均値)に及んでいる。熱中症による救急搬送者数も近年増加する傾向が見られ、熱中症リスクが非常に高まっている。
 熱中症による救急搬送者を一人でも減らすため、熱中症リスクが高い高齢者等への啓発及び様々な関係者へのヒアリングやアンケート調査等を実施し、より効率的かつ効果的な熱中症対策の啓発に努めている。
 

1 はじめに

 本市は大阪府の北部に位置し、面積は約36平方キロメートル、人口は約38万人である。特徴としては、日本で最初の大規模ニュータウンが建設され、市内にJRや阪急等の鉄道駅が15駅、大阪大学をはじめ5つの大学がある。また、大阪万博のシンボルである太陽の塔が建つ万博記念公園や、ガンバ大阪のホームスタジアム「パナソニックスタジアム吹田」がある。
 暑熱環境対策としては、2009年に策定した吹田市第2次環境基本計画の重点プロジェクトにヒートアイランド対策の推進を位置付け、2011年には赤外線センサーを搭載した航空機を用いて、8月の昼夜の地表面温度の熱画像を撮影し、市域全域のヒートアイランド現象を把握した(図1)。
 この結果を基に、事業計画の早い段階から環境配慮の取組を誘導する本市独自の「環境まちづくりガイドライン」に建物屋根への高反射率塗料の塗布や壁面緑化等の暑熱環境対策の取組項目を明記し、開発事業者等に対して対策の誘導を図っている。
 さらに、2021年に策定した吹田市第2次地球温暖化対策新実行計画において、熱中症対策の推進を明記し、様々な取組を実施している。
 しかしながら本市は全域が市街化され、人工排熱の増加や緑地の減少等により、熱帯夜日数が年間36日(2024年5年移動平均)に及んでいる。夏期の気温上昇も加わり、熱中症による救急搬送者数も増加傾向が見られ、2024年は270人を超え、熱中症リスクが非常に高まっている。

Suitashi_zu1図1 昼夜の地表面温度の熱画像

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