2017.03.10 政策研究
第6回 歳出の目的別分類と性質別分類を押さえよう!
江東区政策経営部企画課長 武田正孝
新人議員の新(あたらし)議員(だんご市議員1期目、30代・女性)の叔父に当たる前財(ぜんざい)課長(おわん市課長、50代・男性)は、おわん市でかつて財政課長を務めていました。新議員は前財課長に自治体の財政について、いろいろと質問をしています。
前財(ぜんざい)課長
おわん市入庁30年目。昨年度まで財政課課長を務めていた。50代半ばを迎え、後進の育成に熱心に取り組んでいる。
新(あたらし)議員
だんご市市議会議員。昨年の4月に地方選挙で議員になったばかり。民間企業での勤務を経て、議員を志した。まちづくりや教育に興味がある。年齢は33歳と、議会の中でも最若手。前財課長の姪(めい)っ子。
今回のテーマは歳出ですね。

家計でも食費、光熱水費、住宅ローンと支出の分類があるように、自治体の歳出でも分類方法があるんだ。具体的には、目的別分類と性質別分類の2つだ。

何が違うんですか。

簡単にいうと、目的別分類は行政の分野ごとで、総務費や教育費などの分類。性質別分類は文字どおり支出の性格によるもので、人件費や普通建設事業費などとなるんだ。

具体的には、どういうことですか。

何か施設を建設する場合、例えば、学校であれば教育費という目的別分類で支出される。福祉センターなら、民生費となる。でも、施設を建設するということでは同じ性質を持つ。このため、性質別分類だと、どちらも普通建設事業費に分類される。

なるほど。

それでは、詳しく見てみようか。
