2024.02.26 議会改革
【セミナーレポート】ミライの議員・議会のために -住民福祉の向上と地方議会の政策サイクル 「政策サイクル推進地方議会フォーラム」公開セミナー
2024年2月4日(日)、全国町村議会館において、議員のなり手とも密接にかかわるコミュニティのあり方とともに、ミライの地方議会・議員の姿を展望することを目的とした、地方議会議員・議会事務局職員向けの公開セミナーが開催されました。その様子をレポートします。
~政策サイクル推進地方議会フォーラムについて~
(公財)日本生産性本部では、2016年より「地方議会における政策サイクルと評価モデル研究会」を開催し、地方議会の政策サイクルに関する検討とその起点となる議会運営の現状把握(評価)のしくみづくりに取り組んでいます。2020年には先進的な事例から抽出した要素とともに組織体の運営(マネジメント)の観点も踏まえた議会運営の評価基準として、「地方議会成熟度評価モデル」を公表。2022年には政策サイクルの推進に向けた学びと実践・相互交流の場として「政策サイクルの推進地方議会フォーラム」を立ち上げました。
はじめに、江藤俊昭氏(大正大学社会共生学部教授)より「議会・議員の過去・現在・ミライー『住民自治の根幹』としての議会の作動ー」と題し、講演が行われました。江藤氏は、議会改革の歴史を振り返りつつ、善い政策をするためには善い議会運営(システム)が必要であることを指摘。この議会運営(システム)のバージョンを上げるために評価を行う、つまり議会からの政策サイクルの充実が必要であることを再確認し、今こそ公開の場で討議することの重要性を説きました。
次に、大杉覚氏(東京都立大学法学部教授)からは、「コミュニティ自治とミライの議会」と題した講演がありました。コミュニティ自治を取り巻く問題や、その問題に対して議会・議員はどうアプローチできるのか、議員がコミュニティ・リーダーであると再認識することの必要性を解説しました。
林晴信氏(兵庫県西脇市議会議員・前議長)からは、「議会は住民自治のプラットフォーム」と題した実践報告がありました。予算決算審査のフローの見直しから委員間討議のポイントや予算審査の心構え、市民との意見交換会から政策サイクルにつながった事例などについて発表がありました。
最後に、「ミライの議会・議員のためにイマの議会・議員に求められるもの」と題したパネルディスカッションが行われ、江藤俊昭氏、大杉覚氏、林晴信氏をパネリストに、コーディネーターとして千葉茂明氏(日本生産性本部上席研究員)が登壇しました。会場からの質問をキーワードに、活発な議論が交わされました。