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2016.07.11 政策研究

【セミナーレポート】空き家対策への自治体の取組はどうあるべきか〜自治体独自の条例制定で解決を~

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 2016年6月7日、第二東京弁護士会 弁護士業務センター主催のセミナー「空き家対策への自治体の取組みはどうあるべきか〜自治 体独自の条例制定で解決しましょう〜」が開催された。
 昨年4月に施行された空家等対策の推進に関する特別措置法(以下「空家法」という)の施行から1年の節目に、空き家対策に取り組む自治体の実情を踏まえて、改めて法律の問題点を明らかにするとともに、今後の自治体の取組の方向性を考えるものであった。

基調講演

 まず、上智大学法科大学院教授の北村喜宣氏の『空き家対策条例と空家対策特措法〜自治体政策法務の試金石』と題された基調講演がなされた。空き家問題の全体的な状況や空家法制定以前の自治体の対応の限界や独自条例の構造について、また空家法が議員立法として制定に至る経緯や法令概要に関して詳細に解説された。さらに、空家法以後の各自治体の対応状況につき、特定行政庁かどうか/条例制定済みかどうか等の観点からの分類が解説された。

空き家問題の現象を解説する北村喜宣氏空き家問題の現象を解説する北村喜宣氏

 空家法は必要なかったという認識を示すとともに、今後、各自治体が空家法をどのように条例に取り込んでいくべきかという流れの中では、条例を制定している自治体を例に挙げながら、条文をパーツごとに前置条例・並行条例・法律実施条例として分類するなどの考えが示された。

講演

 続いて第二東京弁護士会会員弁護士業務センター委員の幸田雅治氏より、『空家対策特措法の問題点』の講演があった。幸田氏は、空家法について「特定空家」の範囲が実態と合っていない、「助言・指導・勧告・命令」といった措置の省略が不可能などの法律の不備を指摘しつつ、一番の問題として、これまでの地方分権の流れを全く理解しないものであると指摘した。全国的な課題となっている空き家問題であるが、実際はその原因を含め、各地域の実情は異なっており、それぞれの地域の実態を踏まえて条例で制定することが適切で、法律で一律の仕組みを規定することには無理があると論じた。
 今後取り組むべき課題として、自治体は空家法を踏まえつつも、地域の実情に応じた条例を制定するなどの対応を行っていく必要があると述べた。また条例制定だけにとどまらず、自治体行政全体の中でどのように空き家対策を位置付けていくのか、しっかりと検討していくべきであるとした。

空家法の問題点を指摘する幸田雅治氏空家法の問題点を指摘する幸田雅治氏

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