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2022.12.13 政策研究

第12回 政策(自治基本条例)と機能・意志・目的・活用法

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元・大和大学政治経済学部教授 田中富雄

自治基本条例と機能・意志・目的

 自治基本条例は、「市民の権利と、自治体運営の全体像について、その基本となる仕組みや方針を規定した条例」であり、まちづくり基本条例、自治体基本条例、市政基本条例などと呼ばれることもある。そして、これまで制定されている自治基本条例には、前文、まちづくりの基本原則、情報共有(情報公開)、市民参加、協働、コミュニティ、議会、長、自治体運営、市民投票制度などの規定が含まれていることが多くある。総合計画に基づく自治体運営を行うことを明記する条例も少なくない(田中 2014:7)。
 このような自治基本条例については、憲法や地方自治法では条例間に優劣の関係を定めていないが、他の条例を制定するに当たり自治基本条例の理念や原則を遵守する義務を定めることで、実質的に自治基本条例を他の条例との比較で上位に位置付けるようにすることができる。また、自治基本条例は、自治体において必要となる重要事項を目次としてまとめ可視化する機能を持つため、自治体において必要な重要事項が新たに生じた場合には、改正することが求められる。これらの実現には、関係者(自治体(市民〈団体・法人〉、議会〈議員・議会事務局職員〉、行政〈首長をはじめとする執行機関・執行部職員〉))の強い意志が求められる。
 自治基本条例の制定については、①自治体政府の規範に重きを置くもの、②市民の活動に重きを置くもの、③市民や自治体政府の協働に重きを置くもの、など条例により異なる。すなわち、自治基本条例の制定目的は自治体によって微妙な食い違いが生じている。
 本稿では、自治体政府の規範に重きを置く自治基本条例について、その活用策を考える。また、自治基本条例との関係で、総合計画条例、議会基本条例、情報公開条例、公文書管理条例、パブリック・コメント手続条例、住民投票条例などについても若干触れる(総合計画条例と議会基本条例については、別途、次回・次々回で掲載を予定)。
 なお、自治基本条例、議会基本条例は松下圭一の理論に由来することが廣瀬克哉により示されている(土山 2019:ⅰ-ⅱ、廣瀬 2017:116-119)。

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