2015.04.27 政策研究
【フォーカス!】◆相次ぐ庁舎整備めぐる住民投票
国と地方の今。明日の議会に直結する、注目の政策をピックアップして解説します。
相次ぐ庁舎整備めぐる住民投票
庁舎の建て替えや移転などをめぐる住民投票が各地で目立っている。4月12日に投開票した滋賀県高島市のケースは、2005年に6町村が合併した際の合意に基づいて今津町に新庁舎を建設するか、暫定庁舎の旧・新旭町役場の増改築で対応するかが争点だった。結果は財政難もあって新旭案が住民の支持を得た。
このほか愛知県新城市(5月31日投開票)、長崎県壱岐市(4月26日投開票)で実施される。新城市は2005年に合併でできた自治体。庁舎の老朽化に伴い建設する新庁舎の規模が過大という市民グループの動きもあって計画の可否を問うことになる。
壱岐市も2004年の合併でできた。旧4町に分散している市庁舎を一カ所に集約して新たに建設することの是非が争点となる。庁舎をめぐる住民投票は鳥取市(2012年)、三重県伊賀市(2014年)などでもあった。
庁舎をめぐる住民投票が目立つのは、合併特例債の適用期間内に整備を急ぎたいとする自治体側の意向があるのが第1の理由だ。さらに、平成の大合併では住民投票で決めた自治体も多く、住民投票という手法が政策を決める際の手続きとして定着しつつあるとも言える。
鳥取市では、現庁舎の耐震改修が投票で支持されたものの、議会が示した改修費用が過少だったことが分かった。市側は最終的に移転を選択している。投票の際に注意すべきことは、的確な情報の公開であることは忘れてはいけない。